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第56期王位戦七番勝負第2局 羽生王位2連勝
羽生善治王位に広瀬章人八段が挑戦している第56期王位戦七番勝負の第2局は、117手までで先手番の羽生王位が勝ち、対戦成績を2勝0敗としました。羽生王位はこの勝利で公式戦の通算勝数が1320勝となり、加藤一二三九段と並んで歴代2位に名を連ねました。

戦型は角換わり腰掛け銀となり、先手の羽生王位の攻めに対して、後手の広瀬八段が穴熊に構え受けに回るという構図になりました。

二日目の封じ手以降両者による激しい展開が繰り広げられましたが、羽生王位の猛攻が優り相手の反撃をかわしながら最後は寄せきりました。

一局を通じて形勢の入れ替わりはあまりなく、終始先手の羽生王位の方がリードしていた感じでした。


私は挑戦者の広瀬八段に柔軟な指し手を求めていましたが、そういった展開にはならず残念に思いました。その残念に思われた局面を下記に取り上げました。

王位戦第2局55手目

上図は後手が△1一玉と穴熊に潜ったあと先手が▲4五桂と跳ねた局面です。
この▲4五桂に対して後手の広瀬八段は△2二銀と引きましたが、ここは△4四銀と上がり▲4六歩に△2二玉(変化図)と戻り、相手の出方を窺う方策はなかったでしょうか?

王位戦第2局変化図

変化図から▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛と進んだら、その後(4一の角打を防ぐ為)△4二金と引いて将来の戦いに備える手もあったと思います。

まあ、しかしこれらは結果論と捉えられる手順かもしれませんね。


ここまで広瀬八段の2連敗と挑戦者にとっては痛い対戦成績ですが、この後の巻き返しを期待して次局を待ち望みたいと思います。

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第86期棋聖戦五番勝負 サプライズなし
羽生善治棋聖と豊島将之七段による第86期棋聖戦五番勝負の第4局が一昨日(7/15)終了し、結果99手で先手の羽生棋聖が勝って、対戦成績を3勝1敗として8連覇を果たしました。

戦型はこれまでの矢倉戦と違って相懸かりになりました。

後手の豊島七段が銀を中央に繰り出し、さらに自陣角を備えて攻めの姿勢をみせましたが成功せず、その後も終盤戦で攻め込みましたが先手の羽生棋聖に上手くいなされ、最後は無念の投了となりました。


私がこの対局で気になった点を下記に取り上げます。

棋聖戦第4局73手目

上図から本譜は豊島七段も悔やんだ△6八歩でしたが、この手はちょっと攻め急いでしまった印象を受けますね。ここでは普通に△6六銀(変化1図)が浮かびます。

棋聖戦第4局変化1図

変化1図から予想手順を述べますと、▲4五桂△4四角▲5五銀△同銀▲同歩に△6二金(変化2図)として、後手悪くないと思います。

棋聖戦第4局変化2図

変化2図より、▲6五銀なら△7二飛と引いておけば先手の攻めが難しそうです。(もちろん後手も大変ですが・・・)


この五番勝負、もう少し接戦になるのかなと予想していましたが、挑戦者の豊島七段に力強さが感じられなく、残念な結果となってしまいました。特に終盤の寄せでこれといった輝いた手もなく、サプライズを期待していた人たちはさぞがっかりしたことでしょう。

なぜか、タイトル戦になると本来の力を発揮できない若い棋士が多いですね。
糸谷竜王のようにどうどうと立ち向かう姿勢を持った若き棋士が現れることを期待しています。
第56期王位戦七番勝負第1局 羽生王位、まず1勝
羽生善治王位と広瀬章人八段による第56期王位戦七番勝負の第1局は、後手番の羽生王位が122手で勝ち、さい先良いスタートを切りました。

戦型は横歩取りとなって難しい戦いが続きましたが、玉型が薄い先手陣を後手の羽生王位が上手く攻め立て、最後は確実な寄せで勝利しました。

終盤いろいろとあったようですが、形勢はすでに後手の羽生王位に傾いていて、逆転となるような局面はなかったと思います。


私がちょっと気になったのが下図に示す局面です。

王位戦第1局58手目

本譜は上図から広瀬八段が▲6五銀と指しましたが、ここで▲4五銀左と逆方向に指していたらどうだったでしょう。以下△同銀▲同銀(変化1図)ですが、・・・。

王位戦第1局変化1図

変化1図から後手が指す手として△5一飛と△6四角の両方が浮かびます。
△5一飛ならば▲5二歩△同金▲1一角成で先手が良さそうです。
△6四角なら▲3八飛△3七歩▲同桂△3六歩▲5四銀△3七歩成▲1八飛(変化2図)で難しいかもしれませんね。

王位戦第1局変化2図


本局、広瀬八段は中央から押さえ込みを計る展開に持って行きましたが、終盤後手玉を崩すことができず、反対に先手玉の薄さが響いて敗れてしまいました。

次局、広瀬八段がどのような作戦を立ててくるのか楽しみですが、柔軟な指し手を駆使して是非好局になることを期待します。

第86期棋聖戦五番勝負第3局 羽生棋聖勝って2勝1敗に
羽生善治棋聖に豊島将之七段が挑む第86期棋聖戦五番勝負の第3局は、108手で後手の羽生棋聖が勝ち、対戦成績を2勝1敗としました。

戦形は3局連続の相矢倉となり、途中先後同型の脇システムと呼ばれる形に進みました。

局面が動いたのは羽生棋聖が9筋から攻め立てた場面からで、その後桂馬も繰り出して先手玉に迫っていきました。
以降は豊島七段の応手がどうだったかという問題もありましたが、形勢は明らかに後手優勢になり、最後は羽生棋聖の快勝となりました。


ポイントになった局面としては74手目の△7五歩の次の手が取り上げられていますが、私はそれより前に指された66手目の△7五歩(下図)の方が気になりました。

棋聖戦第3局66手目

棋譜コメントには「▲6五銀と逃げてくれるなら大きな利かしだ」と書かれていますが、私は敢えて5四の地点を狙う意味で▲6五銀とかわす手もあったと思います。
以下に参考手順を述べますと、
▲6五銀△6四歩▲2四歩△同歩▲2三歩△同金▲5四銀!△同金▲4三銀(変化図)・・・、といった具合です。
(兎に角後手玉を何とかして崩さないと話になりません)

棋聖戦第3局変化図

本譜の手順で74手目の△7五歩まで進むと、先手の勝ちに結びつく手段はなさそうです。
(棋譜コメントには▲8五金が有力とありますが、後の手順で△8三金のところを△8三銀に代えて指せば後手有利となります)


豊島七段にとって本局は力が出せない結果になってしまいました。次局どのような戦法になるか分かりませんが、何とかタイに持ち込んで棋聖戦を盛り上げて欲しいと思います。