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第55期王位戦七番勝負 1勝1敗のタイに
羽生善治王位に木村一基八段が挑戦している第55期王位戦七番勝負の第2局が先日指し行われ、結果162手の長手数で後手番の羽生王位が勝ち、これで1勝1敗のタイになりました。

戦型は第1局に続いての相矢倉戦になり、先後を入れ替えての両者の戦い方が注目となりました。

中盤戦辺り、挑戦者の木村八段が攻めて、羽生王位が受ける展開に発展していき、徐々に先手(木村八段)が有利な形勢を築いたと思われましたが・・・。

終盤後手(羽生王位)も反撃に出て激しい戦いになり、寄せ合いの末最後は羽生王位が即詰みに仕留めました。


棋譜コメントを読めば、119手目の▲4一とがひとつのポイントとして挙げられていますが、私はその2手前の▲2九飛のところで勝敗が分かれたように感じました。

王位戦第2局116手目

上図の△3九角に対して本譜の▲2九飛ではなくて、飛車の横利きを保ちながらの▲1八飛(変化1図)の方が良かったと思います。

王位戦第2局変化1図

変化1図から△5七角成▲7三歩成△4七馬▲1五角に△7七歩と後手も寄せにきますが、以下▲6三と△7八歩成に▲9八玉(変化2図)と逃げることが出来ます。

王位戦第2局変化2図

変化2図から△9六歩には▲5三とと迫り、△9七歩成に▲同桂で大丈夫です。

まあ、他にも変化は考えられますが、正確に指していけば先手の勝ちだったと思います。


木村八段にとってはほしい一局でした。2勝0敗と1勝1敗では次戦に対する気持ちの持ちようが違うでしょう。

第3局、どのような戦いになるのか見物ですが、好局を期待して待ち望みたいと思います。

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NHK杯 ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦
先日(7/13)放映されたNHK杯将棋トーナメント戦(▲豊島将之七段-△北浜健介八段)は、超急戦の将棋となり楽しめました。

戦型はゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦で、この戦いは久しぶりの感じがします。後手の北浜八段がこういう戦法を取るとは思いもよらず、対する豊島七段の対抗策に興味を引かれて観入りました。

途中北浜八段の指し手がどうだったのか疑問に感じながら下図の局面までくると、もはや後手に勝ち目がなさそうです。

NHK杯(豊島七段-北浜八段)61手目

図から△4四角が浮かびますが、次▲5一龍と指されると後手が一手遅れているように思えます。

他に有力な手としては本譜の△5六馬ではなくて、△4六馬と銀を取る指し手がありそうです。以下▲同龍に△6九銀と絡んでどうかですが、▲7九金打で先手は耐えていますので、これも後手無理そうですね。

序盤に指された△5四銀の応手では、この戦法はもはや解決済みなのでしょうか?


第55期王位戦七番勝負 挑戦者木村八段、矢倉戦を制す
羽生善治王位に木村一基八段が挑戦している第55期王位戦七番勝負の第1局が先日指し終わり、結果116手までで後手番の木村八段が勝ち、初の7大タイトル獲得へ好スタートを切りました。

第1局目の戦型は相矢倉戦となりました。羽生王位が1筋から突破を狙おうとすると、木村八段も9筋から仕掛けて、その先の攻防戦が面白くなりました。

封じ手の局面ではいろいろとあったようでよく分かりませんでしたが、二日目に入り徐々に後手の木村八段の形勢がよくなったように思われました。

勝敗の鍵となったポイントは下図の局面。

王位戦第1局92手目

上図から先手の羽生王位は▲7九金と指し、以下△7八歩▲6九金△同飛成▲4八角に△7九歩成となって、最後木村八段が先手玉を追い詰めて勝利しました。

▲7九金に代えて棋譜コメントにも載っていたように▲4八角と指し、△7八銀成▲同玉△4八飛成の変化ではどうだったでしょうか?

棋譜コメントには▲5一飛と出ていましたが、これには次△6九角以下後手の方が指せそうです。 なので、▲2三銀と(変化1図)とぶち込んでみてはどうでしょう。

王位戦第1局変化1図

変化1図から△同金▲5二飛△3二銀▲2三歩成△同玉に▲6八金と手を戻し(ちょっと辛いかな)、以下△5九歩成▲2四歩△同銀▲5五飛成(変化2図)となります。

王位戦第1局変化2図

が、しかし次に△5八金と絡まれてなかなか先手が勝つ将棋にはなりそうにないですね。

ということで、△6九銀は木村八段の見事な勝負手でしたね。

矢倉戦での戦いは非常に両者の読み比べが現れる将棋ですので、観賞していて楽しいです。


次局、どのような戦型になるか分かりませんが、このシリーズ盛り上げて貰いたいです。

第85期棋聖戦五番勝負 羽生棋聖防衛にて7連覇
羽生善治棋聖の2連勝で向かえた第85期棋聖戦五番勝負の第3局が5日に行われ、結果152手で後手の羽生棋聖が挑戦者の森内俊之竜王に勝ち、これでシリーズ3連勝として大山康晴十五世名人と並ぶ棋聖戦歴代最多の7連覇を達成しました。

戦型は第1局に続いての横歩取りに。途中までは前例のある指し手が続きましたが、森内竜王が新手を指したところで羽生棋聖が飛車交換に持ち込み、以降後手は桂馬の活用で先手陣に迫り徐々に後手優勢のペースとなりました。

終盤森内竜王も盛り返して一時差が詰まりましたが及ばず、最後に羽生棋聖が先手玉を討ち取りました。


下図は終盤で羽生棋聖が△3二金と受けた局面。

棋聖戦第3局112手目

本譜では先手の森内竜王が▲2一馬とかわしたのですが、以後形勢逆転とはならず先手玉が捕まりました。

私は上図で▲3二同馬と強気に指して、以下△同玉に▲4四歩(変化1図)でどうなるか考えてみましたが・・・。

棋聖戦第3局変化1図

変化1図から考えられる手順として△6九桂成▲同玉△5七香▲6八金左△5八香成▲同金に△4八金(変化2図)が詰めろとなって、どう捌いても先手に勝ち目が見当たらず逆転の道はなかったようです。

棋聖戦第3局変化2図

変化2図から▲4三歩成△同玉▲4四金△4二玉で後が続かず、以後▲7八玉と逃げても△5八金▲8七玉に△6五角が攻防に利いて、先手玉は耐えられません。


残念ながら森内竜王の巻き返しとはならず、このシリーズ名人戦に続いて盛り上がりの欠けた将棋内容になってしまいました。

それにしても、羽生さんはこのところ指し手にも淀みがなく、これからの将棋人生が益々充実していくのではないのかと感じられます。