第72期将棋名人戦七番勝負の第2局が22日・23日に指し行われ、結果挑戦者の羽生善治三冠が89手で森内俊之名人に勝って開幕2連勝としました。
第1局に続いての相懸かりの戦型でしたが、積極的に出て行った先手羽生三冠の指し手が旨く、二日目からの戦いでは明らかに形勢が羽生挑戦者に傾いていって、最後は押し切って勝ちました。
下図の▲6四飛からの寄せは凄かったですね。最後長手数の詰みを読み切った羽生三冠の快勝譜となりました。

▲6四飛のところ、もし▲4四飛(変化1図)と4筋から詰めろを掛けていたら、この将棋大逆転になっていました。

変化1図から△5八銀成▲7七玉△7六銀▲8八玉(▲同玉は△6五馬▲7七玉△7六金以下詰み)△8七飛成▲同金△同銀成▲同玉△7六金▲同玉△6五馬(変化2図)となって、以下先手玉が詰んでいました。つまり、▲6四飛の一手前に指された後手森内名人の△6五銀は詰めろだったのです。

▲6四飛と後手の6四の歩を払っての狙いが最後の決め手でしたね。
本局は見せ場となるような局面も少なく、形勢も一方に傾いたままだったので全体的には盛り上がりに欠けた戦いだったと思います。
次局どのような戦いになるのか分かりませんが、森内名人らしい強い指し手を期待したいです。
第1局に続いての相懸かりの戦型でしたが、積極的に出て行った先手羽生三冠の指し手が旨く、二日目からの戦いでは明らかに形勢が羽生挑戦者に傾いていって、最後は押し切って勝ちました。
下図の▲6四飛からの寄せは凄かったですね。最後長手数の詰みを読み切った羽生三冠の快勝譜となりました。

▲6四飛のところ、もし▲4四飛(変化1図)と4筋から詰めろを掛けていたら、この将棋大逆転になっていました。

変化1図から△5八銀成▲7七玉△7六銀▲8八玉(▲同玉は△6五馬▲7七玉△7六金以下詰み)△8七飛成▲同金△同銀成▲同玉△7六金▲同玉△6五馬(変化2図)となって、以下先手玉が詰んでいました。つまり、▲6四飛の一手前に指された後手森内名人の△6五銀は詰めろだったのです。

▲6四飛と後手の6四の歩を払っての狙いが最後の決め手でしたね。
本局は見せ場となるような局面も少なく、形勢も一方に傾いたままだったので全体的には盛り上がりに欠けた戦いだったと思います。
次局どのような戦いになるのか分かりませんが、森内名人らしい強い指し手を期待したいです。
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森内俊之名人に3年連続で羽生善治三冠が挑戦する第72期将棋名人戦七番勝負が始まりました。その第1局が8日・9日に指し行われ、結果後手番の羽生挑戦者が森内名人に178手の長手数にて勝利し、名人奪還への好スタートを切りました。
本局先手番となった森内俊之名人が選んだ戦型は相懸かりでした。一日目は序盤から定跡通り進むだろうと思っていましたが、途中からお互いの駆け引きがあって大駒を取り合う決戦状態になり、この先の勝負の行方が気になりました。
二日目からはいよいよお互いの持ち味が披露される攻防戦が展開されましたが、挑戦者の羽生三冠が2枚の角を巧みに操りながら相手の陣内に迫り、森内名人の頑強な受けを突き崩して押し切りました。
全体的にみて、後手羽生陣の玉型を崩せそうで崩せなかった森内名人の指し手に強さが感じられなく、相手の攻撃に受けてばかりの姿勢では勝利は難しいのかなと思いました。
私がポイントとして挙げたいのが下図の局面です。

本譜は上図から▲4六歩△8六歩▲8八歩△4六角▲3七銀・・・と進みましたが、3七に銀を使わされたのが痛く感じられ、その後の展開で後手の猛攻を受ける要因になったのではと思いました。
▲4六歩の代わりに▲3七桂と跳ねて角筋を止め、以下△8六歩には▲8八歩と受けずに▲7五銀(変化1図)と角に強く当ててどうだったでしょうか?

変化1図から後手も強く△3七角成と切って▲同玉に△8五桂▲7六飛△8七歩成の手順がありそうですが、そこから先手も▲7四歩(変化2図)と打って7筋方面からの攻撃が出来なかったでしょうかね。

変化2図から後手にも△4四角と出て浮いた先手玉を狙い付ける手がありそうですが(これが△3七角成と切る狙い)、これはこれでいい戦いに転じたと思いますが・・・。
尚、戻って変化1図で△7五同角と取る手は▲同飛で、この飛車が縦横に利くため後手が不利になりそうです。
この第1局熱戦だったようにも思えますが、先にも述べたように森内名人の受け一方の指し手にはちょっと首を傾げたくなった次第です。
羽生三冠の攻撃の巧さが実った戦いだったと感じました。
次局の対局が待ち遠しいです。
本局先手番となった森内俊之名人が選んだ戦型は相懸かりでした。一日目は序盤から定跡通り進むだろうと思っていましたが、途中からお互いの駆け引きがあって大駒を取り合う決戦状態になり、この先の勝負の行方が気になりました。
二日目からはいよいよお互いの持ち味が披露される攻防戦が展開されましたが、挑戦者の羽生三冠が2枚の角を巧みに操りながら相手の陣内に迫り、森内名人の頑強な受けを突き崩して押し切りました。
全体的にみて、後手羽生陣の玉型を崩せそうで崩せなかった森内名人の指し手に強さが感じられなく、相手の攻撃に受けてばかりの姿勢では勝利は難しいのかなと思いました。
私がポイントとして挙げたいのが下図の局面です。

本譜は上図から▲4六歩△8六歩▲8八歩△4六角▲3七銀・・・と進みましたが、3七に銀を使わされたのが痛く感じられ、その後の展開で後手の猛攻を受ける要因になったのではと思いました。
▲4六歩の代わりに▲3七桂と跳ねて角筋を止め、以下△8六歩には▲8八歩と受けずに▲7五銀(変化1図)と角に強く当ててどうだったでしょうか?

変化1図から後手も強く△3七角成と切って▲同玉に△8五桂▲7六飛△8七歩成の手順がありそうですが、そこから先手も▲7四歩(変化2図)と打って7筋方面からの攻撃が出来なかったでしょうかね。

変化2図から後手にも△4四角と出て浮いた先手玉を狙い付ける手がありそうですが(これが△3七角成と切る狙い)、これはこれでいい戦いに転じたと思いますが・・・。
尚、戻って変化1図で△7五同角と取る手は▲同飛で、この飛車が縦横に利くため後手が不利になりそうです。
この第1局熱戦だったようにも思えますが、先にも述べたように森内名人の受け一方の指し手にはちょっと首を傾げたくなった次第です。
羽生三冠の攻撃の巧さが実った戦いだったと感じました。
次局の対局が待ち遠しいです。
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