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第38期棋王戦五番勝負 渡辺竜王、タイトル三冠
第38期棋王戦五番勝負の第4局が昨日指し終わり、結果渡辺明竜王が郷田真隆棋王に勝利して対戦成績を3勝1敗とし、棋王位を奪取しました。これで渡辺竜王は王将もあわせ、7タイトルのうち三つを同時に保持する自身初の「三冠」となりました。

本局はこの棋王戦番勝負で一番力の入った戦いだったように思いました。最終手数も157手に及び、見応えもありました。

終盤まで、先手の渡辺竜王の攻めに対し、後手の郷田棋王がどう受け止めるのか、その面白い内容に魅入っていましたが・・・。

下図の局面、次の郷田棋王の手に疑問を感じてしまいました。

棋王戦第4局139手目

本譜はまさかの△4四銀引。これでは大事な終盤の局面で一手損したようにも思われ、後手の勝ちはないなと直感しました。

ここは受けずに、本譜でもあとで出てきた△1七金▲同香に△1八飛(変化図)と先に指していたら、もっと勝負所が観られたかもしれません。

棋王戦第4局変化図

変化図以下いろいろ手順もありそうですが、本譜よりも見応えがあったのではないでしょうか?


それにしても、渡辺竜王好調ですね。このタイトル奪取はこれからの将棋界に益々変化をもたらしそうです。

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第38期棋王戦五番勝負第3局 渡辺二冠が奪取に王手
郷田真隆棋王に渡辺明二冠(竜王・王将)が挑戦している第38期棋王戦五番勝負の第3局が昨日指され、結果110手でもって後手の渡辺二冠が勝利し、対戦成績を2勝1敗として初の棋王獲得に王手をかけました。

相矢倉の戦型で局面が進み、序中盤辺りまではほぼ五角の内容だったと思いましたが、終盤に進むにつれて郷田棋王の手があまり芳しくなく、最後は大差の内容で先手玉が討ち取られてしまいました。

問題だったのは下図の次の一手でした。

棋王戦第3局90手目

本譜はなんと先手から▲8六歩と突いたんですよね。これでは先手に勝つ望みがないなと思いながら観戦していましたが、結局後手玉を追い込む手も繰り出せないまま郷田棋王の痛い敗戦となってしまいました。

上図から5五の歩が取れないのであれば、▲7九玉と飛車先から一旦逃れ、次△5六歩には▲5八歩(変化図)と耐えていたらどうだったでしょうか?

棋王戦第3局変化図


長考派の郷田棋王にとって時間の切迫も影響していたかもしれませんが、もう少し慎重に指していたら良い将棋になっていたでしょう。

本局は渡辺二冠の大局観の良さが示された将棋でした。突き詰めた将棋に対してはブレの少ない棋風の渡辺二冠の強さをまざまざと見せられた対局となりました。

次局、渡辺二冠が決めてしまうのか、それとも郷田棋王が最終戦まで引っ張り込むのか、楽しみに待ちたいですね。

第62期王将戦七番勝負 挑戦者の渡辺竜王がタイトル奪取
第62期王将戦七番勝負の第5局は、挑戦者の渡辺明竜王が佐藤康光王将に勝ち、4勝1敗として初挑戦にて王将位のタイトルを取りました。これで渡辺竜王は二冠となり、棋王戦にも一段と弾みがついたように思われます。

本局は相矢倉となりました。見応え有る戦いを期待しながら観戦していたのですが、途中から佐藤王将の手に疑問を感じてしまい、終盤は逆転のチャンスもなく、渡辺竜王が押し切ってしまいました。

下図は不可解に思った局面です。

王将戦第5局67手目

上図の▲4六金では先手が自ら形勢を損ねた感じがしました。自玉の守りを薄くしてしまい、相手に攻めのチャンスを拡大させる一手に思えました。ここに至る途中で何か他の道筋がなかったのかと考えざるを得ませんでした。

結局良く分かりませんでしたが、佐藤王将の頭の中で(将来にわたって)どのように局面が描かれていたのか知りたいものです。


このシリーズ、やはり佐藤王将にとって前局で敗れたのが一番いたかったのではないでしょうかね。

それにしても、渡辺新王将は二日制のタイトル戦は強いですね。全体的にブレが少なく、攻守のバランスもよく、しっかりした将棋を指す棋士だとつくづく感じます。