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第24期竜王戦 渡辺竜王が早くも8連覇に王手
先日行われた第24期竜王戦七番勝負の第4局は、後手の渡辺明竜王が138手にて先手の丸山忠久九段に勝ち、これで3勝1敗となって竜王が8連覇に王手を掛けました。

戦型は角換わり相腰掛け銀となり、途中千日手模様の手が続きましたが先手の丸山九段が旨く指して先攻し、後手の渡辺竜王が受ける形となって局面が進んでいきました。

終盤に入り、後手の渡辺竜王が先手の攻めを凌ぎながら反撃に転じ、強烈な香車の利きでもって相手の玉形を薄くし、最後は逃れようとする先手玉を捕まえて勝利しました。

全般にわたってかなり難しい将棋だったように思います。
先手の丸山九段が形勢を悲観していたのか、最後の方は勝ちを意識することなく終わってしまったようで残念でした。

先手有利な局面もあったと思われますが、そこからのはっきりした勝ち筋は分かりませんでした。
例えば116手目(△8六歩)の局面で、本譜の▲同玉に代わり▲7七玉とかわした方が良かったのではないかと自分なりに検討してみましたが、先手の勝ちは見つけられませんでした。


これで渡辺竜王がかなり連覇に近づきましたが、一将棋ファンとしては丸山九段の奮起も期待しつつ、次局を待ちたいと思います。

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第61回NHK杯将棋 (▲羽生二冠-△戸辺六段)
昨日(11/20)放映された第61回NHK杯将棋トーナメントの対局は見応えがありました。

先手は羽生善治二冠(王位・棋聖)、後手は戸辺誠六段で、戦型は後手のゴキゲン中飛車対先手が3七銀~4六銀と上がる急戦法でした。

序盤に戸辺六段が上手く指し、一本を取ったまま後手有利の状態で中盤から終盤に向かっていましたが、最終盤に後手の一手のミスで勝敗がひっくり返りました。

NHK杯(羽生二冠-戸辺六段)93手目

上図はその局面ですが、後手の戸辺六段が飛車を切り勝負に出たところ、次93手目の▲同玉に本譜は△8五角と打ってしまい、これが結果敗着の手となってしまいました。

△8五角に代えて△6五銀打と玉の頭から押さえ込み、▲7七玉に△6六角(変下図)という変化なら難しかったようです。

NHK杯(羽生二冠-戸辺六段)変下図

変下図から▲8六玉なら△9九角成と香車を取れば(次△8四香以下先手玉が詰む)、先手は後手玉を詰ますしかありませんが、これはどうやら後手玉詰まなそうです。

△6六角に▲7八玉は△6七銀▲7九玉に△4七桂成で後手が勝ちそうです。

残るのは▲6八玉ですが、これが意外と難しそうですね。△6七銀▲5九玉△4七桂不成▲同金△5六銀上と押さえ込んで後手が勝てればいいのですが、ちょっと分かりません。(後手玉に詰みがなければ後手勝ち)


それにしても、戸辺六段にとっては欲しい一局でした。

第24期竜王戦第3局 丸山九段が終盤逆転勝ち
第24期竜王戦七番勝負の第3局は、ここまで2連敗していた挑戦者の丸山忠久九段が112手にて渡辺明竜王に勝ち、待望の1勝をものにしました。

戦型は後手丸山九段の早めの角換わりで始まり、その後先手の渡辺竜王が先に突っかけて攻め入り、早くも一日目から竜王が主導権を握っていたように思われました。

二日目に入ってから終盤に丸山九段が予想されていなかった手を繰り出し、徐々に差を縮めて最後は逆転で勝利しました。

竜王戦第3局72手目

上図は72手目に丸山九段が打った△8七銀の局面。ここでこの手が指せるのは先々の読みが出来ていたからでしょうか?
先手は当然▲同歩とは取れなく6九に玉を逃げますが、そこで後手は△4五銀と香を払い除けました。以下先手は▲2三歩成から△同銀▲同飛成△同金▲同馬で詰めろを掛けますが、次の△8九飛がきつい手で、▲5八玉にすかさず△4一香(下図)と攻防に利いた旨い手を指され、局面は逆転してしまいました。

竜王戦第3局82手目

この終盤の攻防は見応えがあったと思います。丸山九段の手の流れに感心しました。

先手はどこかで▲7三銀成として飛車を苛めつつ、後手玉の退路を狭める手はなかったのでしょうか?(感想戦によると、71手目の▲4五香に代えてこの手があったようですが・・・)

苦しい局面からの巻き返しで難を逃れ、1勝を返した丸山九段。さて、次局でタイに持ち込めるかどうか注目となりそうです。