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第59期王座戦 渡辺竜王が王座奪取で二冠へ
9月27日に行われていた第59期将棋王座戦五番勝負の第3局は、挑戦者の▲渡辺明竜王が147手でもって△羽生善治王座を下し、なんと開幕から3連勝のストレートで王座のタイトルを奪取しました。
これにて、渡辺新王座は竜王と併せて自身初の二冠となり、同時に羽生前王座の20連覇の夢が消えてしまいました。

戦型は横歩取りでした。私は羽生王座のゴキゲン中飛車の採用も30%くらいあるかなとみておりましたが、本局は飛車が空中を舞う戦いを選ばれました。

下図の局面辺りではすでに後手がリードしている形で、普通ならもう先手が嫌になってしまいそうですが、渡辺竜王は冷静に局面を解析しながら相手の攻撃をかわしていきました。

王座戦第3局56手目

局面進んで、下図の69手目▲5七金に対して羽生王座は△5四飛と一旦飛車取りを避けました。

王座戦第3局69手目

しかし、ここでは強く△2七桂成とし、▲3九金に△4九銀(変化図)と打ち込めば後手がかなり優位になっていたのではないかと推測しますが、如何だったでしょうか?

王座戦第3局変化図


それにしても、渡辺竜王は羽生さん相手に相性がいいというのか負けませんよね。特にタイトル戦に於いては圧倒している感じです。これは渡辺竜王本人にしか分からないことなんでしょうね。
本シリーズでもこれといって渡辺竜王が攻めきっているような局面は少なかったと思いますが、終わってみれば負け無しの3連勝という見事な成績。

羽生さんはこれまで終盤に於いて羽生マジックといわれる妙手を出しては不利な局面をひっくり返すことが多かったのですが、最近は渡辺竜王のように確実な手を指す棋士相手には通用しなくなっているのかもしれません。

渡辺竜王、二冠目のタイトル獲得おめでとうございます。

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第59期王座戦 挑戦者渡辺竜王が王座奪取に王手
昨日行われた第59期王座戦五番勝負の第2局は、挑戦者の後手・渡辺明竜王が106手でもって羽生善治王座を下し、開幕2連勝にて王座奪取に王手をかけました。

相掛かりの戦型から、途中先手の羽生王座が先攻して局面が進み、ガッチリと囲んだ渡辺玉を攻めきれるのかどうかという興味ある戦いが続いたのですが、渡辺竜王が羽生王座の攻めを何とかかわして最後は先手玉を即詰みに討ち取りました。

積極的な羽生王座の攻め将棋でしたが、決定的な手が見付からず、最後はあっけない勝敗となりました。
結果的には本譜は無理な攻め筋だったようで、何処かに一呼吸置く必要があったかもしれません。

攻めきれなかったという結果論になりますが、終盤の下図の局面では(棋譜解説にも出ていましたが)▲2二角成からの開き王手の筋の方が良かったかもしれません。

王座戦第2局88手目

▲2二角成から(棋譜解説を参考に)△2一銀▲3三馬△4二金▲4一金△5二玉▲4二金△6三玉に▲4三馬(変化図)と指し進めます。

王座戦第2局変化図

ここで、変化図から後手にどういう攻めがあるでしょうか?

まず△7五飛と打たれる手がありそうですが、▲7七銀△3五飛に▲3六歩として相手の飛車を六段目に誘き寄せて且つ徹底的に飛車の侵入を防げれば、先手は将来6五に金を打ち付けて詰めろを狙う手がありそうです。

また、変化図から△6五桂と打つ詰めろには▲6六銀で防げそうです。

しかし、やっぱりプロ棋士なら恐らく将棋の流れからしてこういう手(▲2二角成)は誰も指さないでしょうね。


全体的に本局は羽生さんらしい将棋ではなかったように思えます。最後左辺から相手玉に逃れてしまった展開は、そのらしさがなかったと言えるでしょう。

挑戦者渡辺竜王の二個目のタイトル取り王手によって、羽生王座の20連覇という記録が薄らいできそうです。

羽生王座の巻き返しがあるのか、いずれにしても次局どんな戦いになるのか待ち遠しいですね。

第52期王位戦 羽生二冠が奪取
3勝3敗のタイに縺れ込んでいた第52期王位戦七番勝負の最終第7局が昨日指し終わり、振り駒で後手番になった羽生善治二冠(王座・棋聖)が116手で広瀬章人王位を下し、4勝3敗で王位を奪還しました。

本局の戦型は、先手の広瀬王位が得意の四間飛車穴熊に、対し羽生二冠は居飛車穴熊で対抗。相穴熊戦での見応え有る戦いが繰り広げられました。

相穴熊戦は終盤になるまでどちらが勝勢なのか分からない戦いが多いのですが、本局も形勢は途中で動いたにしろ、最後まで目が離せない内容だったと思います。

棋譜を一通り鑑賞して、「ん?」と思ったことがありますので下記に掲げます。

王位戦第7局78手目

上図は78手目、後手羽生二冠が4八の銀を△3九銀成と潜り込んだ局面です。これに対し先手の広瀬王位は▲同銀と応じましたが、ここは▲同金の方が良かったのではないかと疑問を感じました。

▲3九同金にはすぐに△3八歩と叩かれますが、以下▲同金とし、△4九龍には▲3九金(変化1図)と龍を弾いて、次▲4六歩と相手の香車の筋を塞ぐ手順はどうでしょう?

王位戦第5局変化1図

また、△4九龍のところで△5七歩と垂らす手もありそうですが、これには▲5一飛(変化2図)と打ち降ろしておいて、いざというとき5筋に利きそうですのでいいと思うのですが・・・。

王位戦第7局変化2図

▲3九同銀でも▲3九同金でも先手が悪いようなら、そこまでの形勢ですでに勝負がついていたことになります。そうなると、ずっと以前の局面で何か(先手に)問題があったということになりますね。(仕掛け辺りで無理があったのか?)

本局で印象に残った指し手では、終盤の羽生二冠の歩の使い方が参考になりました。
△4七歩(96手目)、△4六歩(102手目)、△3八歩(104手目)といったところ。


羽生さんは、本シリーズ2連敗後2連勝したあと、第5局で星を落として窮地に立たされ、第6局と本局での連勝により、逆転でタイトルを奪い取りました。粘り抜いた勝利でしたね。
まだまだ若い者には負けられないという思いが伝わってきそうです。

王位のタイトルを奪取したことにより、羽生さんはこれで通算80期のタイトル獲得を成し遂げ、故大山康晴十五世名人と並んで歴代1位となりました。(正に凄いの一言)

第59期王座戦五番勝負 渡辺竜王が先勝
タイトル19連覇というとてつもない記録を続けている羽生善治王座に、8年振りに渡辺明竜王が挑戦する、第59期将棋王座戦五番勝負がいよいよ始まりました。

昨日その第1局目が行われ、結果131手でもって挑戦者の渡辺竜王が勝ち、それと同時に羽生王座の連勝記録(19連勝)がストップしました。

戦型は角換わり腰掛け銀となり、午前中は前例ある手順を践みながら両者の指す手がどんどん進みました。途中、羽生王座が手を変えた辺りからは局面に面白味が出てきました。

81手目に先手の渡辺竜王が▲9二龍と指したあと、後手の羽生王座は△9五歩と指しましたが、何かこの手が力のない指し手に見えて不思議な感じでした。

△9五歩に代えて、もし△3七金(変化1図)と指していたらどうだったでしょう?

王座戦第1局変化1図

上図から▲同角なら△同角成▲4九飛に△2七角(変化2図)と打って、3六にもう一つ馬を作れますから後手が良さそうです。

王座戦第1局変化2図

しかし、△3七金には▲4四香と打つ手があって、以下△3三金右▲4二香成△4八金▲5五角△同銀▲3二成香△同金に▲4一角(変化3図)と打ち込まれ、後手が劣勢になりそうです。

王座戦第1局変化3図


本局は全体的に先手の渡辺竜王の方が形勢は良かったように思えました。(実際は微妙に形勢が変化していたかもしれません)

挑戦者の渡辺竜王が先勝したことにより、このタイトル戦もこの先面白くなりそうですね。