情報の友
気になる情報を発信するブログです。
第22期女流王位戦 甲斐女流王位初防衛
昨日行われた第22期女流王位戦五番勝負の最終局(第5局)は、振り駒で後手番となった甲斐智美女流王位が112手にて挑戦者の清水市代女流六段に勝ち、3勝2敗として初防衛を果たしました。

甲斐女流王位は2手目にいきなり△3二飛として三間飛車戦法をとりました。これに対して清水女流六段は落ち着いた駒捌きで対応しました。

途中飛車交換があり、お互い手に持った飛車を相手陣に打ち込んでの攻防が繰り広げられました。

終盤に入っての攻め合いは幾分後手ペースのように感じましたが、下図の局面で先手にもチャンスがあったかもしれません。

女流王位戦第5局80手目

本譜は図から▲5五角と飛び出して相手陣(美濃囲い)の急所を狙いに行きましたが、上手い具合に詰めろが続かなくなり、その後は甲斐女流王位の確実な攻めに屈服してしまいました。

上図からは(Twitterによる)解説にもありましたが、▲4五龍と桂馬を捕獲しながら龍の縦の利きを守り(何かの時に後手の龍を止める事が出来る)に活用する手が有効だったと思います。
▲4五龍以下(参考ながら)△6九銀不成▲同金△5八金▲同金△同とと進めて、そこで▲5五角(参考図)とすれば先手にも楽しみがあったでしょう。

女流王位戦第5局参考図

参考図は次▲7四桂に△9二玉▲9三銀△同玉▲8二銀以下の詰めろになっています。


2連敗後2連勝してタイトル奪取にあと一息だった清水さんでしたが、最終局積極的に攻めの姿勢をとった甲斐女流王位の指し手に幾分押さえ込まれた感じを受けました。
普段なら清水さんが押さえ込む将棋が多いのですが、本局は甲斐さんが冷静に指していて駒捌きも良かったと思います。

甲斐女流王位、初防衛おめでとうございます。

スポンサーサイト
第69期将棋名人戦 森内九段名人位奪取
第69期将棋名人戦七番勝負の最終局(第7局)が昨日指し終わり、挑戦者の森内俊之九段が羽生善治名人を123手で負かし、シリーズ成績4勝3敗にて名人位を獲得しました。

3連勝3連敗から挑戦者が勝利したのは恐らく初めてではないでしょうか。

振り駒で先手番となったのは森内九段でした。戦型は三度の横歩取りとなって、後手の羽生名人は△8五飛車戦法を採用しました。

本局は森内九段が左右の桂馬を中段に跳ね出して積極的に攻撃を仕掛けました。

中盤以降は先手の森内九段がやや有利と見られていましたが、羽生名人も簡単には土俵を割らない粘りの応酬で、見所いっぱいの局面が続きました。

84手目後手羽生名人が放った△6五角から数手進んだ下図の局面で、私は本譜と違う見方をしていました。

名人戦第7局91手目

本譜は△5二角と守り重視に動きましたが(間接的には1六の飛車狙いでもある)、ここで角筋を変えずに△8三角と引く手はなかったでしょうか(攻め重視)?
△8三角に本譜のように▲2五歩と飛車を捕獲されれば、そこで△4七歩成(変化1図)とします。

名人戦第7局変化1図

変化1図から▲4三成銀の詰めろには△4八と▲同金△3二銀とすれば粘れそうです。
只、先に▲6八玉と早めにかわされると難しいかもしれません。▲6八玉なら△4八と▲同金△5二銀(変化2図)と守るか、あるいは△5二銀のところ△9四角と出るのか迷いそうです。

名人戦第7局変化2図

本譜は守り一方になってしまったのが後手にとっては辛かったですね。

それにしても、本局は最終局に相応しい熱戦となってこのシリーズが締めくくられたのはなによりでした。


3連勝後3連敗していた森内九段にとっては嫌な流れだったかもしれませんが、最終局でしっかりした将棋を指せたのはやはり精神的にも強い力を持っている証拠だと思います。

とにかく、順位戦含めこの名人戦に強さを発揮するのが森内さんです。来期以降も名人位を持ち続けられるのかどうか分かりませんが、まだまだ世代交代は先のことのように思わされました。

第69期名人戦七番勝負 3勝3敗のタイに
第69期将棋名人戦七番勝負の第6局が昨日指し終わり、先手番の羽生善治名人が挑戦者の森内俊之九段を139手で破り、3連敗したあと3連勝として星がタイになりました。

戦型は相矢倉戦で第4局で指された手順を践んでいましたが、66手目に森内九段が手を変えたところから、羽生名人の攻めに対し森内九段の受けという棋風どおりの局面が続きました。

先手の羽生名人の攻めが切れかかったところで後手の森内九段が反撃を開始し、盤面上での激しい戦いが繰り広げられ俄然面白くなりました。

私は幾分後手の森内九段の方が形勢がいいのではないかなと思っておりましたが、下図の局面以降流れが先手の羽生名人に傾いたように感じました。

名人戦第6局105手目

図から本譜は△9九角と打って先手玉を上ずらせる形をとりましたが、以降の手順をみると返って先手玉が寄りにくくなって相手を助けたようにも思えます。

上図から6八に打った銀を普通に△同金と取って、以下▲同銀に△2二金と引き、次▲1四角の詰めろには△3二銀(変化図)と堅く守れば後手玉が安全になっていたのではないかと思いますが、どうだったんでしょう?

名人戦第6局変化図

変化図から▲2四桂なら△2三歩でいいでしょう。

△9九角は二日目の夕食休憩後に指された手でしたが、この局面で森内九段は大分悲観していたのかもしれませんね。苦し紛れの手だったように感じました。


このシリーズもいよいよ最終局まで分からなくなり、勝負の行方が益々気になりますね。
(最終局の熱戦をより期待します)

第69期名人戦七番勝負第5局 羽生名人連勝
第69期将棋名人戦七番勝負の第5局は、カド番が続いている▲羽生善治名人が挑戦者の△森内俊之九段を106手で破り、2勝3敗として次局以降に臨みを繋ぎました。

戦型は横歩取りとなり、後手番の羽生名人が8四に飛車を引いての戦いとなりました。
一日目は先手の森内九段が上手く指しているなと思っておりましたが・・・。

二日目に入って封じ手以降羽生名人は左銀をひょろひょろと繰り出していき、銀桂交換以後の手の流れに私は感心しました。

53手目に森内九段が▲5五角と出たのに対し、羽生名人が△3三桂と跳ね、▲7四歩の当然の手に△5六歩と打ち付けたのが下図の局面です。

名人戦第5局56手目

この手を見て、思わず「上手いなあ」と思いました。7三に歩が成られては大変です。3三に跳ねた桂馬を有効にする手ですね。
この△5六歩を▲同飛と取らせて△7四飛と歩を払い、次▲6五銀に一旦△1四飛と待避しました。
(もし、△5六歩を▲同歩と取っていたら△6四桂だったのでしょうか?)

以下進んで角銀交換から(70手目)7四に角を据えて相手の陣形を睨みました。

名人戦第5局72手目

上図は、その△7四角に▲5六歩と受けさせ△5二金と手を渡した局面です。この△5二金はプロも感心した手だったようです。
ここで先手に何か上手い手はなかったでしょうかね。例えば▲7二歩と垂らすとか、あるいは強く▲7二銀と打ち付けるとか。
しかし、先手玉の陣形が薄いので相手に飛車を渡すとたちまち崩壊しそうですね。

本局もそのようになり、受けの強い森内九段も流石に粘りきれませんでした。


羽生名人の連勝でこのシリーズも面白くなりそうです。
(この調子でいくとフルセットまで縺れそうな気配を感じます)