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第23期竜王戦七番勝負 渡辺竜王7連覇に王手
石川県加賀市で行われていた第23期竜王戦七番勝負の第5局が昨日指し終わり、激戦の末先手の渡辺明竜王が挑戦者の羽生善治名人を下し、7連覇に王手をかけました。

戦型はこのシリーズ3度目の横歩取りになりました。
穏やかな展開で進んでいましたが、二日目の昼頃から渡辺竜王が角の睨みを利かせた攻めを敢行し、一時は渡辺竜王の勝ちと見られていましたが、羽生名人も粘りの受けの手を指して終盤は形勢不明の状態が続きました。

最終盤羽生名人が攻めの手を誤った感じがあり、結局155手をもちまして先手番の渡辺竜王が勝利をものにしました。


その最終盤の局面を取り上げてみました。
下図は、後手の羽生名人が4二にいた角で2四の香車を取り払い、先手の渡辺竜王が▲同歩とした局面です。

竜王戦第5局149手目

本譜はこのあともう一方の角で△同角と指して攻めを繋いだかに思えましたが、▲5一金以降数手で後手が投了になりました。最後は何だかあっという間に終わってしまった感じで、不思議な余韻が漂っているように思えました。

上図の局面で先に△5八金と王手をしていたらどうだったでしょうか?
以下▲7九玉△6八と▲同金△同金▲同玉△2四角▲5七歩△5六桂▲7七玉に△5七角成(変化図)で後手が勝っていたように思えます。

竜王戦第5局変化図

変化図からは先手も本譜と同じように▲5一金から攻めるしかないですが(△5七角成は詰めろ)、後手玉がかろうじて逃れているように思います。


勝った渡辺竜王もかなり本局では苦労していたようです。そのことを物語るように二人の戦いの凄まじさが感じられた対局でした。

3勝2敗で有利にたった渡辺竜王がこのまま押し切るのか、あるいは羽生名人がフルセットまで持ち込ませるのか、次局が待ち遠しいです。

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