第51期王位戦七番勝負の第2局が昨日終了し、先手番の深浦康市王位が135手にて挑戦者の広瀬章人六段を負かし、1勝1敗のタイになりました。
戦型は後手広瀬六段の四間飛車穴熊に、先手の深浦王位が角を積極的に活用した金無双の囲いになりました。
二日目に入り、深浦王位が61手目▲9三角成と切って端攻めを敢行し、後手の穴熊を崩してからは先手の方が押し気味で、終盤の後手からの反撃にも耐えて最後は深浦王位が後手玉を詰ませました。
全体を通して、深浦王位の序盤の作戦が功を奏した一局だったと思います。
後手の広瀬六段にもチャンスはあったと思いますが、深浦王位が慎重に指し回した分相手に勝機を与えず、快勝だったように感じました。
ここで、一つ検討してみたくなった局面を掲げます。

図は72手目△8六桂に▲6九玉と逃げた局面です。本譜はこのあと△5三角と指したのですが▲3三銀と打ち込まれ、その後5三の角が働かない展開になってしまいました。
上図の局面では後手は角を手持ちしていますから、この角を利用して5七の地点を集中的に狙っていたらどうだったでしょうか?
つまり、△5七香と打ち込み▲同銀△同歩成▲同金直に△8四角と打ち、▲5八金引に△5五金(変化図)と出て、次に△5七歩を狙うという指し方です。

変化図から先に▲5七歩には△5六歩と合わせ、▲同歩△同金▲5七歩に△4九銀で後手の攻撃が続きそうです。(さらに▲5六歩なら△5八銀成▲同玉に△5七歩があります)
只、後手の二段目の飛車・角が遊んでいるので十分とは言えませんが・・・。
この対局結果、1勝1敗のタイとなって深浦王位の方に少し余裕が生まれたように感じます。内容も相手の得意としている穴熊を崩しての勝利ですから、今後の対局時の気持ちも違ってくるでしょう。
問題は次局以降の広瀬六段の指し方に本局がどう影響するのかですけど、さて次は・・・。
戦型は後手広瀬六段の四間飛車穴熊に、先手の深浦王位が角を積極的に活用した金無双の囲いになりました。
二日目に入り、深浦王位が61手目▲9三角成と切って端攻めを敢行し、後手の穴熊を崩してからは先手の方が押し気味で、終盤の後手からの反撃にも耐えて最後は深浦王位が後手玉を詰ませました。
全体を通して、深浦王位の序盤の作戦が功を奏した一局だったと思います。
後手の広瀬六段にもチャンスはあったと思いますが、深浦王位が慎重に指し回した分相手に勝機を与えず、快勝だったように感じました。
ここで、一つ検討してみたくなった局面を掲げます。

図は72手目△8六桂に▲6九玉と逃げた局面です。本譜はこのあと△5三角と指したのですが▲3三銀と打ち込まれ、その後5三の角が働かない展開になってしまいました。
上図の局面では後手は角を手持ちしていますから、この角を利用して5七の地点を集中的に狙っていたらどうだったでしょうか?
つまり、△5七香と打ち込み▲同銀△同歩成▲同金直に△8四角と打ち、▲5八金引に△5五金(変化図)と出て、次に△5七歩を狙うという指し方です。

変化図から先に▲5七歩には△5六歩と合わせ、▲同歩△同金▲5七歩に△4九銀で後手の攻撃が続きそうです。(さらに▲5六歩なら△5八銀成▲同玉に△5七歩があります)
只、後手の二段目の飛車・角が遊んでいるので十分とは言えませんが・・・。
この対局結果、1勝1敗のタイとなって深浦王位の方に少し余裕が生まれたように感じます。内容も相手の得意としている穴熊を崩しての勝利ですから、今後の対局時の気持ちも違ってくるでしょう。
問題は次局以降の広瀬六段の指し方に本局がどう影響するのかですけど、さて次は・・・。
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第51期王位戦七番勝負がいよいよ始まりました。
そしてその第1局、挑戦者の広瀬章人六段が得意の振り飛車穴熊戦法で後手の深浦康市王位を倒し、幸先良い一勝をものにしました。
内容も良かったと思います。相穴熊となりましたが、勝負所での広瀬六段の手が冴え、終盤は圧倒していました。快勝でしょう。
その終盤ですが、解説によると下図の局面ではすでに先手が優勢とのことですが・・・。

89手目に先手の広瀬六段が▲3五歩と突いたのに対し、後手の深浦王位は△5九飛と打って攻め合いを目指しましたが、▲3四歩から桂馬を使われ、さらに遊んでいた8七の角も躍動して勝敗を決める鍵となりました。
上図で△8七龍(変化1図)と角を取る手は間に合わないのでしょうかね?

変化1図から▲6五馬と銀を奪うと△4九桂成▲同金△6九飛でいけません。従って▲3四歩と突っ込みますが、以下△2二銀▲3三桂△6九飛▲2一桂成△同玉▲2五桂に△4二金右(変化2図)と寄ってどうでしょう?

変化2図で後手が耐えてなかったら角を取るのは間に合わないということになります。只、後手も受け一方になってしまい先手に迫る有力な筋がなかったら駄目かもしれません。
緒戦をものにした広瀬六段、この先どんな戦い方を見せてもらえるのか楽しみですが、深浦王位も研究熱心な棋士なので一方的にはならないと思います。
次戦の戦い方に注目しましょう。
そしてその第1局、挑戦者の広瀬章人六段が得意の振り飛車穴熊戦法で後手の深浦康市王位を倒し、幸先良い一勝をものにしました。
内容も良かったと思います。相穴熊となりましたが、勝負所での広瀬六段の手が冴え、終盤は圧倒していました。快勝でしょう。
その終盤ですが、解説によると下図の局面ではすでに先手が優勢とのことですが・・・。

89手目に先手の広瀬六段が▲3五歩と突いたのに対し、後手の深浦王位は△5九飛と打って攻め合いを目指しましたが、▲3四歩から桂馬を使われ、さらに遊んでいた8七の角も躍動して勝敗を決める鍵となりました。
上図で△8七龍(変化1図)と角を取る手は間に合わないのでしょうかね?

変化1図から▲6五馬と銀を奪うと△4九桂成▲同金△6九飛でいけません。従って▲3四歩と突っ込みますが、以下△2二銀▲3三桂△6九飛▲2一桂成△同玉▲2五桂に△4二金右(変化2図)と寄ってどうでしょう?

変化2図で後手が耐えてなかったら角を取るのは間に合わないということになります。只、後手も受け一方になってしまい先手に迫る有力な筋がなかったら駄目かもしれません。
緒戦をものにした広瀬六段、この先どんな戦い方を見せてもらえるのか楽しみですが、深浦王位も研究熱心な棋士なので一方的にはならないと思います。
次戦の戦い方に注目しましょう。
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