情報の友
気になる情報を発信するブログです。
第51期王位戦 挑戦者決定リーグ最終局
昨日一斉に行われた第51期王位戦挑戦者決定リーグ最終局の結果は、紅組が只一人4勝1敗で広瀬章人五段が優勝し、白組はこのところ好調の羽生善治名人と戸辺誠六段がそれぞれ4勝1敗の成績を残しプレーオフ対戦となりました。

紅組で佐藤康光九段が敗れたのは意外でしたし、同組の渡辺明竜王も若手の広瀬五段に屈したのは驚きでした。

その中から渡辺竜王自身のブログに載せられていた対局を取り上げてみました。
57手目に指された先手広瀬五段の▲4六歩が「なかなかの手」という竜王自身の感想がありましたが、これに対し素人なら馬を消す目的で△8八角(変化1図)と打ちたくなりますがどうでしょう?

王位戦リーグ最終局変化1図

上図から▲4五歩なら△6六角成▲同歩に△5六角(変化2図)と打ちます。

王位戦リーグ最終局変化2図

変化2図から▲4八飛とかわしたら△3二銀、▲4四歩と突いてきたら△3八角成▲同金にやはり△3二銀と変化してどうなんでしょう?
まあ、別の展開になりますが先手を持つか後手を持つかは人それぞれですかね。


これで、紅組優勝の広瀬五段は白組プレーオフ勝者と挑戦者決定を争うことになりますが、果たして挑戦者は誰に決まるのでしょうか?

スポンサーサイト
第21期女流王位戦五番勝負 甲斐女王が連勝
第21期女流王位戦五番勝負の第2局目が昨日行われ、挑戦者の甲斐智美女王が122手で清水市代女流王位を下し、2連勝でタイトルに王手をかけました。

戦型は後手甲斐女王の三間飛車に対し、先手の清水女流王位はいつもどおり居飛車で対抗。
先手が5筋の位を取ると、後手もすかさず飛車を5筋に展開して反撃態勢に。この辺は流石に手慣れた印象を受けました。
以降昼食休憩時点では、振り飛車の甲斐女王の方がここまで指し手が機敏で早くも一歩リードした感じがしました。

中盤に入ってから清水女流王位が相手の囲い(美濃囲い)の弱点であるところの端攻めを敢行しました。途中両者が香車を何度も打ち合うなど、妥協を許さない姿勢は見応えがありましたが・・・。

終盤に一つ「あれっ」と思った局面が目に付いたのでそれを掲げます。

女流王位戦第2局98手目

上図は甲斐女王が96手目に△5七龍と思い切りよく切ったのに対し、先手の清水女流王位が▲9三歩成と相手の桂馬を取り、後手が△同歩とした局面です。
ここで本譜は▲7五角と相手の打ちたいところ(△7五桂:△5七龍をもし▲同銀なら△7五桂で詰み)に先に打ち込みましたが、△4七角と好手で打ち返され、以下甲斐女王が先手玉を寄せきりました。

「あれっ」と思ったのは、折角端攻めを敢行したのなら図から▲9三香成とは出来なかったのか?という疑問です。つまり、▲9三香成に当然△7一玉と逃げますが、この時右側(2六or3五or4四の地点)から角を打って挟撃態勢をとれないのかと。
しかし、例えば▲3五角と打ちまして△5三歩▲8二銀△6二玉▲5三歩成△同龍と進んで、次に▲5四歩と打っても△7五桂(変化図)と王手で打ち返されて、やはり駄目のようですね。

女流王位戦第2局変化図


局後清水女流王位も寄せがあると思って端攻めをいったとありましたが、どうも読みが完璧ではなかったようです。
それよりも冷静に対応した甲斐女王の方に勝負強さを感じました。

今までの清水さんなら相手の指し手を惑わすような粘りの将棋を見せていたのですが、最近はあっさりと負けるのが多い気がします。

このまま甲斐女王がストレートでタイトルを奪ってしまうのか、それとも清水女流王位の底力を感じさせる巻き返しがあるのか、このタイトル戦も次局が楽しみとなりました。

第68期将棋名人戦 羽生名人がストレート防衛
一昨日・昨日と行われた注目の第68期将棋名人戦七番勝負の第4局は、先手番の羽生善治名人が163手で挑戦者の三浦弘行八段を下し、4連勝のストレートで名人位を防衛致しました。

この第4局は長い戦いとなりましたが、それだけに注目する点も多く、勝負がつくまで目が離せない将棋でした。

序盤いろいろと駆け引きがあった中、作戦勝ちに持っていったのは後手の三浦八段の方でした。しかし、駒がぶつかって中盤過ぎた辺りからは先手の羽生名人の方が幾分指しやすい状態に変化していきました。

終盤に差し掛かり挑戦者の三浦八段が攻撃を仕掛けていきましたが、羽生名人も上手くそれをかわしながら後手玉に迫っていきました。

私が注目したのが下図の局面です。

名人戦第4局131手目

上図は、2手前に羽生名人が▲1七桂と跳ね、三浦八段が2四にあった歩を銀で払ったあとに▲3三歩と打ち付けた局面です。
「この歩、取れないのかな?」と、誰もが思いたくなりますが、馬で取っても銀で取ってもどちらも▲2五桂と跳ねられ、飛車先が利いてくるので後手玉には驚異となりそうです。

本譜は△4二歩と駒を節約しながら守ったのですが、やはり▲2五桂と跳ねられ△同銀に▲4四金と食いつかれ、以後この金で馬を捕られたあと、後手玉は皮肉にも取られた角で攻めやられました。

△4二歩に代わる手はなかったのでしょうかね?
駒の節約を恐れず△2三銀くらいで防いでいたらどうでしょう。以下▲3二金には△同銀▲同歩成△同玉(変化図)ぐらいで我慢していたらと思いますが、これにもひょっとしたら▲2五桂がありますかね?

名人戦第4局変化図


結果的には4-0のストレートで羽生名人が防衛となりましたが、決して三浦八段が弱いわけではなく、決め手を与えさせない羽生名人の巧みな指し回しと経験の差が勝敗を決する要因になったと感じました。

シリーズを通して、羽生名人の指し回しの上手さが際だった名人戦だったと思います。

第21期女流王位戦五番勝負 甲斐女王が先勝
第21期女流王位戦五番勝負の第1局が昨日行われまして、先手番になった挑戦者の甲斐智美女王が131手で清水市代女流王位を下し、幸先良い1勝を手にしました。

先のマイナビ女子オープンに続いてのタイトル挑戦となった甲斐女王の指し手は、1手目から中飛車を宣言する▲5六歩でした。

序盤から中盤にかけて激しい戦いは起こらずにゆっくりとした展開で進み、どちらかというと後手の清水女流王位のペースのように感じられました。
甲斐女王もビッグタイトルを取った後だっただけに、これまでのような挑戦者の気持ちで臨むことを控えていたようにも思えました。

局面が進む中いろいろと指し手に疑問を感じるところもありましたが、最終盤までどちらが勝つのか分からない状況で、勝負が決まったのは最終着手の数手前でした。

その最終盤で私が一つ気になった局面(下図)があります。

女流王位戦第1局117手目

図は117手目に先手の甲斐女王が▲4一銀と打って後手陣の守りを崩しにかかったところ。
本譜は△4五歩とこちらの方に退路を求めましたが、すぐに▲4四歩と打たれ、結局後手玉が逃れることにはなりませんでした。

上図から△4五歩に代えて△2五銀とこちらの方を開けるのはどうだったでしょうか?
以下参考ながら手順を追いますと、▲3二銀成△同金▲4二金△同銀▲2一飛成△3三玉▲1一龍に△6五馬(変化図)で詰めろをかけることになります。

女流王位戦第1局変化図

変化図なら2四の地点に後手玉が待避出来そうですね。只、勝敗の行方がどちらに転ぶかはこの時点では分かりませんが・・・。


幸先良いスタートを切った甲斐女王がこれで勢いを付ければダブルタイトルの可能性が増します。
一方負けてしまった清水女流王位にとっては、2局目以降の対振り飛車の対策が鍵となりそうです。

いずれにしても、次の対局が大事な一戦になりそうですね。

第68期名人戦第3局、三浦八段虚しく投了
第68期将棋名人戦七番勝負の第3局は昨日終了し、後手番の羽生善治名人が132手で挑戦者の三浦弘行八段を破り、3連勝で名人防衛に王手をかけました。

戦型は三度横歩取りとなりましたが、第1・2局とは違った展開になり、最終盤まで縺れて目が離せない戦いでした。

先手の三浦八段のコメントにもあるように、飛車が一時窮屈な状態に陥り先手が苦しい展開を強いられていましたが、終盤は逆転の局面もあったようで、三浦八段が投了したときは虚しく感じられました。

私がこの対局で取り上げたかったのは、終盤の逆転劇ではなく、中盤のしのぎあいの場面です。
69手目に先手の三浦八段が▲4六香と打ち(予想は誰もが▲4六桂でしたが)、以下△5三銀引▲5六歩△7四飛▲5五歩に△6三角(下図)と引いた局面を取り上げました。

名人戦第3局74手目

本譜はこのあと三浦八段が9筋に固まっていた飛車を▲5六飛と転回しましたが、すぐに羽生名人が△3四角と狙いを付け、以後2枚の角を切りながらこの飛車をもぎ取ってしまいました。
先手にとっては何とか捌けた感じもしますが、私は逆に捌かれてしまったように感じました。

戻って、上図の局面から▲3五桂と打ち、4三の地点を守る△4二金に▲8三金(変化図)と打って、左右からの攻撃態勢を整える手段はなかったでしょうか?

名人戦第3局変化図

変化図からはいつでも▲7三金~▲6五桂の筋があり、4三の地点も狙われて先手の飛車の活用ができ、これなら先手も十分に戦えたのではないでしょうか?

終盤劇については専門雑誌等で取り上げられるでしょうから、興味のある方はそちらの方を楽しみにしてください。


いすれにしても三浦八段にとっては欲しかったですね。
「後一歩なのになあ」
と、思わずにはいられませんでした。

このままストレートで決まってしまうのは面白くありません。どうか次の対局で三浦八段の強さを示して貰いたいと思います。

将棋世界6月号から、名人戦第1局を振り返って
将棋世界6月号に掲載されていた第68期名人戦七番勝負第1局の記事を読んで、私が以前自分のブログで分からないと言っていた先手の勝ち筋がようやく掴めました。

本書16ページ中段の記事にもありますように途中までは私の読み筋通りでしたが、▲2二桂成△同玉のあと▲2三歩の叩きが利くとは思えませんでした。といいますか、それ以上は読み切れていませんでした。

▲3八金と手を戻したあと(参考図)、記事の中では△4四桂と打った局面が載せられていますが、私はそれより△4九飛成と指された方が先手にとっては嫌なのではと思っておりましたが・・・。

名人戦第1局参考図

△4九飛成に対して先手は▲4八金と龍の筋を遮るのですが、これに後手は△3八銀とし、▲5六玉に△4八龍と手順に金を取れるので後手有利だろうと思っていました。しかし、この次に先手から▲3六桂と王手で打たれ、△2三玉に▲3五角成(変化図)という詰めろがあって、どうも先手の勝ちのようです。

名人戦第1局変化図

他に△3八銀に代えて△4六香は▲5六玉△4八龍に▲2二飛以下、先手の馬と角の筋が利いていて後手玉が詰まされそうです。

やっぱり先手の三浦八段に勝ち目はあったんですね。でも、終盤にここまで奥深く読むのは並大抵の事ではないですよね。

うーん、将棋は奥深いです。この記事の中にも書いてある羽生語録のことがとても印象に残りました。