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久保棋王、最終局を制し二冠を堅持
第35期棋王戦五番勝負の最終決着局が昨日行われました。
終わってみれば総手数190手という大熱戦で、将棋ファンはさぞかしその戦いに魅了されたことでしょう。

改めて振り直された結果、挑戦者佐藤康光九段の先手で始まり、後手の久保利明棋王が得意のゴキゲン中飛車に構えて盤面が展開されていきました。

34手目に後手の久保棋王が△9二香と上がり穴熊の構えに持っていきました。絶対に負けられないという久保棋王の強い意志が感じられましたね。

中盤の67手目に指された佐藤九段の▲5五歩は意外で(その前の△3六歩に対して)、おそらく久保棋王も意表を突かれたのでは・・・。この辺りでは先手が良さそうに感じておりました。

そして局面はどんどん進み、勝負の分かれ目となったのが感想戦にも出ていた下図に示す166手目の局面です。

棋王戦第5局166手目

本譜は図から▲5四銀でしたが、これが何とも言えない力の抜けた手で敗着手となってしまいました。その後はここで取られなかった6九のとが最終的に勝負を決する駒となり、佐藤九段が悔やむ結果となりました。

それでは、△6九とを▲同玉と取っていればどうなっていたでしょうか?

▲6九同玉に対して△4六馬の詰めろには▲5七銀打とし、△4七馬に▲5八歩(変化1図)で受かっているようです。

棋王戦第5局変化1図

上図から後手は△8八金と挟撃態勢にきますが、▲8三桂成(あるいは▲8三香成)が詰めろで、以下△同金▲同香成(詰めろ)△7八金打▲5九玉の後△8三馬と成香を取られても、▲7五桂(変化2図)がまたまた詰めろの手となって先手有利の局面が続きます。

棋王戦第5局変化2図

他にも変化の手順があるかもしれませんが、いずれにしても後手が足りなかったと思います。

際どい局面が他にもあったかもしれませんが、終盤の1分将棋で正確な読みを続けるのは難しいですよね。
(久保棋王も最後の最後まで分からなかったと言っていたようです)

久保棋王はこの対局に勝って二冠を維持し、段位も九段に昇段して、これからも益々磨きの掛かった将棋を見せてくれることでしょう。

改めて、振り飛車党の強いタイトル棋士が現れたことを歓迎したいです。

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マイナビ女子オープン 五番勝負第1局
第3期目に入りましたマイナビ女子オープンもいつの間にか番勝負まで漕ぎ着け、昨日はその第1局目がありました。

挑戦者はこのところ調子のいい甲斐智美女流二段です。今はすっかり振り飛車党になっていますが、昔は居飛車を指していたこともあって、その実力は折り紙付き。

先手となった甲斐女流二段は初手▲5六歩と早くも中飛車宣言をし、これに対しての後手矢内理絵子女王の対応が気になっていました。

序盤22手目に矢内女王が△1二香と上がり、意表の穴熊戦略を立てました。
NHK杯将棋トーナメントの女流出場者決定戦でも穴熊を指していましたが、果たしてこの対局で実るのか注目でしたが・・・。

私が目に付いたのは、終盤86手目矢内女王が△3八歩と打ったのに対し、甲斐女流二段が▲同金と応じた局面(下図)です。

マイナビ女子オープン第1局87手目

本譜は図から△7八飛と打って角・金の両取りを狙いましたが、▲4四金△3八飛成▲3三歩△同桂▲6一飛・・・となって、先手に攻めの機会を先に与えてしまいました。

上図では単に△3五角と金を捕獲して▲同金に△4九飛成(変化図)としていれば、後手陣の穴熊はすぐに崩されることもなく、龍と手駒の飛車の威力で後手が充分に優勢な局面を築いていたと思います。

マイナビ女子オープン第1局変化図

△7八飛と欲張った手を指した為、その後の展開にひびが入ってしまいました。
将棋は有利な局面ほど難しいと言われますが、本局もそんな将棋だったように感じました。

こういう将棋を見ていると矢内女王の指し回しが今一つに感じられ、このところの不調を物語っているように思います。


幸先良いスタートを切った甲斐女流二段、果たして初タイトル獲得といくのでしょうか?
次の2局目が大事になりそうですね。

第35期棋王戦五番勝負 第4局
ここまで挑戦者佐藤康光九段の2勝1敗で向かえた、第35期棋王戦五番勝負の第4局を見てみましょう。

角番の久保利明棋王が負ければタイトル二冠が消えて一冠に逆戻りになります。

先手は佐藤九段、後手が久保棋王で始まったこの対局、予想に違わず久保棋王のゴキゲン中飛車に対して、佐藤九段は持久戦模様の駒組みへと進みました。

前半は作戦巧者の佐藤九段の方が模様が良かったように思いましたが、後半に至って少し指し手にブレが生じてきました。

しかしながら、将棋は最後まで分からないゲーム。目を離すことができないのですが・・・。

勝敗のポイントになった局面として下図を取り上げました。

棋王戦第4局110手目

上図は終盤110手目に後手の久保棋王が△9八飛と打ったところです。これに対して先手の佐藤九段は▲7七玉と上の方に逃げましたが、ここは普通に▲7九玉の方が良かったですね。後手の飛車は遊んでいて駒台にもありませんから飛車打ちの心配はなく、守りも強固ですから直ぐに崩されることはありません。

▲7九玉に対して△6六歩と崩しに掛かってきても▲6三とと寄り、△8三馬に▲9五桂△9四馬▲7二と寄△9二玉▲7三と寄(変化図)といった具合に詰めろが続きます。

棋王戦第4局変化図


タイトルを取った王将戦に引き続き、この対局も久保棋王の指し回しが光った一局でした。
途中に現れた(銀冠ではなく)馬冠になった局面など、久保棋王は着実に大局観が身に付いていっているなあと思います。それに指し手にブレがなく守りも上手いです。

最終の第5局の行方が気になるところですが、果たしてどうなりますかね?
王将を奪取した久保棋王の方が乗っているように私には思えますが。

久保棋王、王将奪取でタイトル二冠に
第59期王将戦七番勝負の第6局、将棋ファンならこの対局に誰もが釘付けになったのではないでしょうか。

先手羽生善治王将、後手久保利明棋王で始まった第6局はゴキゲン中飛車超急戦でした。(私ならいくら振り飛車が好きとはいえ、決して望まない将棋ですが)

久保棋王は後手なら中飛車と決めていたようで、敢えてこのハイリスクな戦いを仕掛けたのは羽生王将の方です。しかもタイトル戦の角番で。

わずか三十数手進んだ局面で終盤戦に突入していくのですが、その一手一手にとても多くの意味合いを持つ目が離せない将棋となりました。

ポイントとして掲げたのは62手目の局面(下図)です。

王将戦第6局62手目

上図から羽生王将が詰みだと思って打ったのは▲7四桂でしたが、意外にも詰み逃れの筋が見付かり、この後は言うまでもなく久保棋王が巧みなかわしの捌きで勝利をものにしました。
しかし、普通なら▲7四桂と打たれてしまったら負けかなと思ってしまいますが、そこは流石にトッププロです。良く読んでいるなあと感心します。

上図の局面から、もし▲7四桂に代えて▲7一角(変化1図)と打っていたらどうだったでしょうか?

王将戦第6局変化1図

後手は深く△9一玉とかわしますが、以下▲4四角成に△5一金打!が粘りの一手です。(龍と飛車の利きを止める意味でも)
先手は仕方なく▲7一飛成として、△8二銀打の粘りに▲8一龍と切り、以下△同玉に▲5四馬△7二銀▲6四桂(変化2図)という手順で、先手の攻めが続きそうです。先手の6五の香車が利いていますし、後手には歩がありません。

王将戦第6局変化2図

変化2図から△7一銀と引くと▲1三龍が▲7二桂成以下の詰めろになります。
変化2図では後手も見た目ガッチリしている為簡単には寄せきれそうにありませんが、後手の守りの駒を奪ってしまえば弱体化します。

局後のコメントに、▲7四桂以外に思わしい手段がなかったと出ていましたが、▲7一角は駄目だったんでしょうか?


久保棋王はこの対局に勝った瞬間、タイトル二冠となりました。

ワクワクしながら見ていましたが、最後に羽生さんが投了した時は
「時代が変わったのかな」
と、思わずにはいられませんでした。

NHK杯将棋トーナメント 準決勝
いやー、私がブログを休んでいる中に、いつの間にかNHK杯将棋トーナメントも準決勝まで進みましたね。

久しぶりですが将棋の記事を書いてみます。

本日放映された準決勝は渡辺明竜王対糸谷哲郎五段戦でした。
ここまで渡辺竜王の勝ち上がりは順調なところでしょうか。一方糸谷五段は1回戦からのスタートで、しかも並み居る相手を次々と負かしつつ準決勝まで漕ぎ着けた力強さは「凄い!」の一言。

この対局で私がポイントにした局面を掲げてみました。
64手目に後手の糸谷五段が△7六歩と突っかけた局面が下図です。

NHK杯(渡辺竜王-糸谷五段)

本局では△7六歩と突き出されたのを先手の渡辺竜王が▲同金と取ってしまった為、△3九角から馬を作られて先手が不利になりました。

ここでは金や銀で歩を取らずに、▲6六角(変化1図)とかわしていたらどうだったでしょうか?

NHK杯(渡辺竜王-糸谷五段)変化1図

変化1図から△6五歩なら▲5七角と引いて、あとで7六の歩を取ることが出来ます。
嫌なのは△6五銀と出られたときです。▲8三歩成に△7四飛と浮いた場合は▲8四角でどうでしょう。
▲8三歩成にもし強く△6六銀と角を取ってきた場合は、・・・難しそうですね。以下▲7二と△6七銀成▲同金△4九角(変化2図)で大変ですかね?

NHK杯(渡辺竜王-糸谷五段)変化2図

本局の結果は糸谷五段の快心譜で、あっという間に終わってしまいました。
NHK杯は持ち時間が少ない為充分な考慮が出来ませんが、この対局は渡辺竜王が自身の勘に頼って指し進めたように思われ、終盤は自滅した将棋だったように感じました。

それにしても、糸谷五段は強いですね。堂々としているあの姿は頼もしく思います。

なんかしっくりいかなかったバンクーバー五輪
ついこの間終わってしまいましたバンクーバー五輪ですが、皆さんはどのように感じられましたか?

私が感じたことを以下に述べます。

まずは開会式を含めてトラブルが続いたこと。
ある意味カナダの国威を掛けた大会だった筈ですが、なんとも意外なところでトラブルが発生し、選手や観ている人達にも心配でなりませんでした。
ここまでカナダも力が落ちたのかなと思ったのですが、その後はどうにか競技が進み無事終了。
大会運営の御粗末さが露呈した感じでした。

日本が金メダルを獲得出来なかったこと。
これは悔やまれますね。
一番取りそうだと思ったのはスピードスケート男子500Mの加藤条治選手。1回目で日本人の中でただ一人34秒台を叩きだしていただけに、2回目のスケートに期待していましたが・・・。後半伸びていなかったようですね。うーん、残念。
その他の競技では期待が持てませんでした。

フィギュアスケートの採点におもわず疑問?
日本では浅田真央選手が注目されていて金メダル候補にもなっていましたが、本番でキム・ヨナ選手が驚異的な高得点をマークし、金メダルの望みが消えてしまいました。
それにしてもあの採点には疑問を持ちます。
男子フィギュアでプルシェンコ選手が採点に異論を唱えていましたが、まさにそのことが切っ掛けとなったように現れた感じです。
あの得点だと男子選手と遜色ない領域で戦えることになりますよね。演技構成が良かったといえども、あそこまで出されたら男子選手も文句の一つは言いたくならないのでしょうか?
プルシェンコ選手の訴え、浅田選手の競技曲目(ロシアのピアノ曲)、キム・ヨナ選手の競技曲目(アメリカのピアノ曲)など要因はいろいろ浮かびます。

韓国のメダル数に驚き。
選手や役員の数が日本より半分以下なのに、メダル数は日本の約3倍(その内金メダルが6個)でした。
これもビックリしましたが、ある意味納得のところもあります。
少数精鋭主義といいますか、お金の掛けどころが日本とは違うようです。高い報奨金制度や兵役免除といったことも関係するのかもしれません。
反対に日本は今後の選手育成に課題が残りましたね。


まあ他にも気付いた点はありますが、一言で言えばバンクーバー五輪は無理やり話題を取ろうとした大会だったように思われます。

そろそろ再開します
大分長く休んでいましたが、そろそろ再開したいと思います。

母親が亡くなってからもう四ヶ月が過ぎました。
その間いろいろと経験することも多く、また人との支え合いや絆を深く感じました。

父も退院してから体の調子が良くなってきていますので、心配事が少なくなりました。


気付かない間に世の中もいろいろと動いていますね。
気になった点を中心に、また記事を書いていきたいと思います。