情報の友
気になる情報を発信するブログです。
第66期名人戦七番勝負 第2局
22・23日の両日に行われた第66期名人戦七番勝負の第2局は、後手森内俊之名人の一手損角換わりの戦型から難しい戦いになり、緊迫した対局が終始続きました。

どの手にもいろいろとコメントが付きそうな指し手だったと思いますが、私が一番感じた局面を取り上げてみます。
それは封じ手▲3四歩の後、△2二銀▲2四飛と進んだ下図の局面です。
名人戦第2局39手目

ここで本譜は森内名人が△6五歩と指しました。この手も強い手で、先手の玉頭に迫りながら攻めの展開を繰り出せば有力な手ではあります。

しかし、私は上図の局面からもっと鋭い手はなかったのか検討してみました。
折角8筋が素通しなのですから、ここで△8七歩と叩いてどうだろうかと。先手は▲同銀と取るしかないですが、そこで△8六歩とさらに叩きます。
以下、もし▲9八銀なら△8七角▲8八歩△9八角成▲同香に△8九銀と打ってどうでしょう? △8九銀は次に金を取るのではなく、△9八銀不成として攻めを続ける狙いです。しかし、後手も2三(※)に叩かれる手があるので難しいところではあります。
また、△8六歩の叩きに▲9六銀とかわしても△8七角と打ち込みます。以下▲8五歩△7八角成▲同玉に、一度△2三歩を入れて飛車を追い払ってから△9四歩と指します。

(※)ここで訂正があります。(2008/4/26)
▲9八銀以下の変化の内容で、最後2三に叩かれる手があるというのは間違いで、正確には8三に叩かれる手があるということです。ずうっと気付きませんでした。
コメントを下さった方、有り難う御座いました。

本局では、44手目△9四歩の後▲8七歩と蓋をされ、結果この手が先手玉を守れることになりました。

終盤は両者玉の守りが薄い形となって緊迫した局面が続きましたが、こういう戦いの中で、羽生善治二冠の攻めの上手さが光った印象を受けました。具体的には95手目▲5二歩~▲5三銀あたりで、形勢が一挙に逆転した感があります。


この対局に挑戦者の羽生二冠が勝って、1勝1敗のタイになりました。
(両対局者間では)先手の勝つ確率が非常に高いタイトル戦ですが、果たして第3局目以降どうなりますか、今後とも注目ですね。

スポンサーサイト
NHK杯将棋トーナメント(▲高橋九段-△広瀬五段)
昨日放映されたNHK杯将棋トーナメントを振り返ってみます。
先手は居飛車党で堅実な指し回しの高橋道雄九段、対する後手は振り飛車穴熊を得意とする広瀬章人五段の対局でした。

戦型は居飛車対振り飛車の相穴熊戦になりました。序盤の指し回しを見ていると先手の高橋九段の方が落ち着いて指している感じを受けました。

中盤の入り口でビックリしたのが下図の局面です。
NHK杯(高橋九段-広瀬五段)49手目

図から単に△4六同歩で大丈夫だろうと思っていました。△同歩に▲同飛なら△4三歩、▲同角は△3五歩▲2六飛に△3四飛で受かっています。
ところが、本局は図から△3五角と思いっ切り出て、以後角交換から飛車の成合いで決戦になりました。

迎えて終盤、△7五桂▲9五桂とお互い桂馬を打ち合った下図の局面から、広瀬五段の猛攻が炸裂しました。
NHK杯(高橋九段-広瀬五段)85手目

本譜は図から△6八馬▲同金上△同龍▲同金△8七桂不成▲同銀△同香成となって先手の穴熊が一挙に崩れてしまい、以後先手は受けなしに追い込まれ後手の勝ちになりました。
馬と龍を切ってこれで大丈夫だという鋭い感覚の良さには驚きましたね。

この対局を見ていて、終盤のあまりの結果に唖然としてしまいました。もっと一手違いくらいの接戦になるものだと思っていたからです。
それにしても若手の有望株広瀬五段の思いっ切りよさにはビックリ。持ち時間の短い将棋で魅せられた若さの勢いをとくと感じました。

マイナビ女子オープン五番勝負第2局
昨日のマイナビ女子オープン五番勝負第2局も、最後まで勝敗がわからない展開で面白かったと思います。

先手が矢内理絵子女流名人だったので、後手の甲斐智美女流二段は得意としている中飛車に。序盤は大体予想された展開になりました。

中盤辺りからは甲斐女流二段の指し回しが冴え、駒得しながらと金も作ってジリジリと先手玉に迫っていきました。
先手の矢内女流名人も攻めを見せようとするのですが何分攻めが細く、途中からは甲斐女流二段の圧勝かと思われていました。

下図は終盤戦の局面、後手が△7八とと銀を取ったのに対し先手が▲同銀と応じたところ。
マイナビ女子オープン第2局123手目

本譜はここから△8七歩▲同玉△8六歩▲同金△7七金▲9六玉△8六桂▲9四歩・・・となり混戦状態となりました。
この後何とか凌いで後手の甲斐女流二段が勝ちましたが、ちょっと終盤に来て焦りが見えたのかもしれません。

上図からは△7六桂でほぼ決まっていましたね。先手は▲同金と取るしかないのですが、そこで△9七銀(参考図)が痛烈で先手玉は寄せられそうです。
マイナビ女子オープン第2局参考図

参考図から▲同玉ならば、△9六銀▲同玉△9五歩▲8七玉△9六金▲同香△9八角▲8八玉△9七角以下、手順は長くなりそうですが先手玉は捕まりそうです。
また、△9七銀を▲同香は△8七銀▲同玉△9八角▲同玉△7八龍以下簡単に詰みになります。

本戦は最終盤まで勝敗のわからないハラハラした対局でしたが、これも女流棋戦ならではのぶつかりあいで接戦となり、これから先の戦いも目が離せなくなりそうです。

両者1勝1敗のタイから残り3局、どのような展開になっていくのでしょうか?

NHK杯将棋トーナメント(▲佐々木五段-△高四段)
本日のNHK杯将棋トーナメントは、若手の有望株同士の対局で興味深く見ていました。

先手は佐々木慎五段。そう、この間C級1組に昇級したばかりで、通算勝率も6割と実力のある棋士です。
対する後手はこれも将来有望株の一人、高一生四段。まだかなり若いですが、これまでの成績も良く、予選から強敵を倒しての本戦出場を果たした棋士です。
どちらも振り飛車党ですが、本局は先手の佐々木五段が高四段の四間飛車に対して居飛車で対抗しました。

結果的には後手の高四段が先手の佐々木五段に屈した感じで、折角解説者として出ていた師匠の米長邦雄永世棋聖の顔を立てることが出来ませんでした。

一方的なようにも見えましたが、しかし対局を振り返ると、後手側にも攻めのチャンスがあったように感じます。下図に示したのがその局面です。
NHK杯(佐々木五段-高四段)65手目

この数手前に先手が▲5六飛と角取りに行ったのに対して後手が△5四歩と受けましたが、佐々木五段は強く▲5五飛と角を取り△同歩に▲4三角と打った局面です。
本譜はこの後高四段が△5三金と嫌な歩を払いましたが、ここでは2八に打った歩を成って攻め合いに行く手はなかったでしょうか?
以下に参考手順は掲げてみますと、
△2九歩成▲5二歩成△同銀▲同馬△同金▲同角成△2八飛成(参考図)でどうでしょう?
NHK杯(佐々木五段-高四段)参考図

角と金・銀の二枚換えになっていますが、参考図から先手の攻めが続くかどうかです。
仮に▲6二銀なら△5七角と打って攻め合います。(△5七角は△3五角成や△9三角成の攻防の意味を含んでいます)

私個人的には後手の高四段を応援していたのですが、この対局では実力を発揮できずに終わってしまいました。(残念)

今期のNHK杯、誰が台風の目になるのかも楽しみです。

第66期名人戦七番勝負第1局
さあー、いよいよ将棋の名人戦が開幕となりました。春先に行われる注目すべきタイトル戦でもあります。
森内俊之名人に挑む羽生善治二冠。タイトル戦の成績はこれまで五分の星取となっています。

振り駒の結果先手番となった森内名人が指した手は▲2六歩。後手の羽生二冠は△3四歩と応じ、それ以降相居飛車の力戦型模様になりました。

第1日目はスローペースで進行し、29手目の森内名人の手番で封じ手となりました。

第2日目封じ手以降やはりスローペースが続いていましたが、羽生二冠が58手目に誰もが予期しなかった驚異の飛車切りを決行し、一気に攻め合いに突入しました。

飛車を手に入れた森内名人はすかさず61手目▲6一飛と王手で打込、△4一歩▲4四歩△6七歩成▲4三歩成△7八と▲同玉と進みました。
名人戦第1局67手目

ここで羽生二冠は△5一金と打ちましたが、代わりに△7一金だったらどうでしょう?
これには▲2四歩△同銀▲同飛△同歩▲2三銀(参考1図)で決まっていそうですが、
名人戦第1局参考1図

その後△6九角と打たれ、▲同玉(それ以外は即詰み)△4九飛▲5九角△4三飛成▲3二銀成△同龍▲7一飛成△同銀▲6三金に△8八銀が詰めろとなって、後手優勢の展開になりそうです。(参考2図)
名人戦第1局参考2図

△7一金に対しては別の手順もあると思いますので、後手が必ずしも上手くいくとは限らないかもしれません。

本局は先手の森内名人が勝たれましたが、第1局目から見応えのある戦いでしたので、第2局以降の展開がどうなるのか楽しみです。

マイナビ女子オープン 五番勝負第1局
マイナビ女子オープンの五番勝負第1局が先日(4/3)行われました。場所はタイトル戦で良く出てくる「陣屋」(神奈川県)で、女流棋戦では初めてです。

振り駒の結果甲斐智美女流二段が先手となり四間飛車に、後手の矢内理絵子女流名人は対四間飛車戦に有効な米長玉を採用して戦いが開始されました。

序盤からもたついてしまった甲斐女流二段が中盤でも思ったような指し手がなく、形勢はぐっと矢内女流名人に傾きました。この辺り、タイトル戦初めての甲斐女流二段が緊張していたように思われます。

終盤はこのまま矢内女流名人の圧勝かと思われましたが、流石に甲斐女流二段も少しずつ差を詰めて、一時は逆転かと思わせる局面もあったようです。

下図に掲げたのは118手目、後手が△2六桂と銀を手にしながら詰めろを掛けてきた局面です。
マイナビ女子オープン第1局118手目

本譜は▲4九金と受けましたが、△3八銀から崩されて後手側の攻めが続く格好になりました。
もし、▲4九金に代えて▲2七銀だったらどうだったか検討してみましたが、やはり本譜の順で進めると先手玉が詰まされてしまいます。
図では既に後手が優勢で先手に勝ち目の薄い局面のようです。となると、その前に先手が勝つチャンスがあったかもしれません。

本局は甲斐女流二段の指し手が硬く、惜しい局面もありながら攻めきるまでには至らず、矢内女流名人の堅実な将棋が勝敗を分けたようです。

第2局以降は東京将棋会館でのタイトル戦となっていますので、いつもの甲斐女流二段に戻っていればこのシリーズ面白い対局になりそうです。
今後も二人の熱戦に期待しましょう。