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棋王戦五番勝負 第2局
棋王戦五番勝負の第2局が2月23日に金沢市で行われました。
戦型は後手番の羽生善治二冠がゴキゲン中飛車に、対して先手の佐藤康光棋王が角換わりを決行し、先日の王将戦第4局のような出だしでした。

中盤に差し掛かったところで一つの岐路になる局面がありました。
棋王戦第2局49手目

上図は後手が△6五歩と攻撃を開始した後、▲同歩△同桂に先手が▲5六歩と突いた局面です。
ここで当然△6六銀と出るものだと思っていましたが、本譜は△6四銀引でした。△6六銀と出ていたら違った展開になっていたでしょう。△6六銀▲同金△5七桂成以下、羽生二冠は何か嫌な筋でも考えていたのでしょうか?

下図は局面進んで78手目、後手が△6五歩と打ってきたところです。
棋王戦第2局78手目

私は△7八銀成▲同銀△6八金と普通の展開になるのかなと思っていたところで、△6五歩でした。
この後▲同桂△6四歩▲7三歩△6二金▲2六角と進み、先手の方に流れが来た感じを受けました。

その後お互い攻防戦が繰り広げられ、終盤は後手羽生二冠ペースでいよいよ詰みの手順が披露されるのではと思っていたのですが・・・。

下図の局面から次の手が事件となりました。
棋王戦第2局123手目

本譜はここで△8七銀と打ってきましたが、▲同金と取られて逆に後手玉に詰めろが掛かりました。後手は△9九龍と迫りましたが▲9八桂が上手い手で、その後先手玉に詰みがなくなりました。
△8七銀は痛恨の敗着手で、羽生二冠が何か錯覚していたのかもしれません。

図からは7六の地点に金か銀か角を埋めて詰めろを掛けるか、又は△6七角と打って詰めろを掛けていたら後手が勝っていたでしょう。
もう一つは△9五同歩と取る手もあります。▲同銀が詰めろ逃れの詰めろですが、以下△9九龍▲9八歩に△6九角で先手受けなしになります。

羽生二冠にしては珍しい見落としで、これが一手の指し手によって勝敗が決まってしまう将棋の怖いところでしょうか。それにしてもタイトル戦でね・・・。

本局は佐藤棋王の粘り勝ちで、名人戦第6局の郷田九段の粘りが頭に浮かびました。
これで1勝1敗のタイとなって、残る3局でタイトルの行方が決まることになります。
佐藤棋王としてはこの対局に勝ったものの、終盤は形勢が悪かった為あまり喜べないことでしょう。次の対局に勝ってタイトル防衛に先に王手を掛けることが出来れば、このシリーズも面白くなりそうです。

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王将戦七番勝負 第4局
2月19・20日の王将戦七番勝負第4局は、後手番の久保利明八段が得意の中飛車に、対して先手の羽生善治王将は丸山ワクチンと呼ばれる角換わりを採用して進みました。

途中、久保八段が挑発気味の手(△4二金)を指すと、羽生王将は「それなら行きますよ」と2筋の突破を図りました。一日目からこの辺りが一つの山場でもありました。

下図は後手が△3五銀(封じ手)と指したのに対して、先手が▲2八飛と引いた局面です。
王将戦第4局39手目

本譜は、この後△2五歩▲5三金△3二飛▲4三金△2三角▲3六歩(味のいい手)△2四銀▲3二金△同角▲7八金と進み、形勢が先手側に傾いてしまいました。

私は、△2五歩のところでは△2一歩と下から受けた方が良かったのではないのかと思い、検討してみました。
以下、▲5三金△4一飛▲2二歩成△同歩▲同飛成に△2一飛とぶつけます。(参考図)
王将戦第4局参考図

図から、▲2一同龍は△同角▲2二飛△3一角▲2一飛成△5三角という手順で。▲2三歩なら△2八歩▲2一龍△同角▲2二歩成△2五桂▲2一と△2九歩成・・・。
まあ、どちらも後手がいいとは言えませんが、本譜よりはマシな進行になっていないでしょうか?

感想戦にもありましたが、△1二角では駒の働きが悪く、やはり△2二歩と素直に受けておく方が良かったでしょうね。

本局はこの後大差となってしまい、久保八段にとっては本当に不本意な将棋になりました。
次回は久保八段が先手番ですので、もう一度立て直していい将棋を指して貰いたいですね。

女流名人位戦五番勝負 第3局
女流名人位戦五番勝負の第3局が昨日東京将棋会館で行われました。
ここまで2連勝の矢内理絵子女流名人がこのまま勝って防衛を果たすのか、或いは挑戦者の斎田晴子女流四段が巻き返しを図るのか、興味がある一番でした。

戦型は先手番の斎田女流四段が得意の四間飛車に、受けて立つ矢内女流名人は自玉を1筋に置いて固める作戦に出ました。

中盤は駒の捌き合いとなってから終盤に突入しました。
後手の陣形が堅いだけに、先手がどういう攻めをするのか興味を持って見ていました。
図は、直前の▲3四桂に対して後手が△3一銀打とガチガチに固めた局面です。
女流名人位戦第3局96手目

本譜はこの後▲1五歩と端に手を付けましたが、これが後々響いて敗因の元になりました。
ここでは▲2四歩と銀の頭を叩いた方が良かったかもしれません。
以下△2四同銀▲同香△同角▲2五銀△3三角▲2二桂成△同銀▲2三歩△同銀▲3四歩△7七角成▲2四歩といった展開になっていたら、本譜よりは先手も戦えていたと思います。


この対局に勝った矢内女流名人は、文句の付けようもない3連勝でタイトル防衛に成功しました。
攻められながらも終盤にはきっちり勝利するあたり、力強さが増した感じを受けました。

2年前に清水市代女流からタイトルを奪い、昨年中井広恵女流六段をフルセットで破って初防衛し、そして今年斎田晴子女流四段に3連勝と素晴らしい内容でした。
女流3強を連続で負かしきる力は相当だと思います。
巷で言われている世代交代が現実となってきた女流将棋界の今後が楽しみですね。

棋王戦五番勝負 第1局のポイント
昨日の棋王戦第1局は長手数の大熱戦でした。
私も出来る限り中継を見ておりましたが、所々中継が繋がらなくなり、途中いらいらしながら最後まで見届けました。

先手番が羽生善治二冠、後手が佐藤康光棋王です。
戦型は後手の一手損角換わりで進み、中盤に達したところで早くもポイントになる局面がありました。
棋王戦第1局61手目

上図は直前に後手が△9三桂と跳ねてきたのに対し、先手が▲4六銀打として角の捕獲を狙った局面です。
この手が指されてから暫し佐藤棋王が考え、本譜で指されたのは△7三飛でした。以下▲3七銀△5三飛で角と成桂(桂馬)の交換になりましたが、これでは後手の大きな手損です。

図から思い切って△4六同角成と出来なかったのでしょうか?
以下▲同銀に△8五桂と跳ねて、勝負して貰いたかったのですがね。
参考ですが、△8五桂から▲6六銀なら△6五歩と突き、▲7六銀なら△7七銀、▲8八銀なら△7七歩ぐらいで。

佐藤棋王が▲4六銀打を軽視していたのでしょうかね?

その後は羽生二冠が有利に進め、終盤は先手の押せ押せムードでしたがなかなか決め手が掴めず、一時は逆王手を掛けられることもありました。
佐藤棋王も地元でのタイトル戦だった為か、羽生二冠の執拗な攻めをかわしながら粘りに粘りましたが、結局形勢を逆転させるまでには至りませんでした。

下図の局面は数手前に後手が△4五歩と打ったのに対し、先手が▲同銀△4四桂▲5五馬!(凄い手)△同歩▲3四銀と進んだところです。この辺りはすでに両者一分将棋で手に汗握る場面です。
棋王戦第1局135手目

実戦は図から△8五桂と跳ねましたが、ここで△7九角ならどうだったでしょうか?
▲同金なら△同飛成▲9七玉△3二金打で形勢逆転模様です。
しかし、▲9八玉と単に逃げられると後手の有効な攻めがなさそうです。△9六桂と詰めろで跳ねても、▲7九金△同香成(△同飛成は▲2三銀打以下後手玉の詰み)▲2三歩△同飛成▲同銀成△同玉▲2六飛で桂馬が素抜かれてしまいます。

総手数187手に及ぶ大熱戦でしたが、終始羽生二冠の方がリードしていたようです。
佐藤棋王の調子はどうなのでしょうね?
第2局に佐藤棋王の秘策はあるのか注目です。

女流名人位戦など
今晩からまた一層寒くなりそうです。
全国的に冷え込みそうですから、皆さん健康には注意してください。


さて、昨日対局があった女流名人位戦の第2局、挑戦者の斎田晴子女流四段が後手番で優勢に進め、このまま勝ちきってしまうのかと思われたのですが、終盤決めに出たところで可笑しな手を指して逆転負けとなりました。
私もこの対局を見ていて結果に驚きました。

100手目に相手の玉頭を睨む△9三香打で決めに出た後、次の△6五歩が疑問で手順に桂馬を跳ねられて逆転模様になりました。
△6五歩では△7六歩~△7五歩として金を吊り出し、その後に△9五歩と突けば9筋の攻撃が活かされたと思います。

負けた斎田女流四段は悔しかったでしょうね。
第3局以降の巻き返しを期待したいです。


明日からはいよいよ棋王戦の五番勝負が始まります。
佐藤康光二冠と羽生善治二冠の対決ですが、この両者のタイトル戦は20度目になります。
これまでの戦績は、羽生二冠の16勝3敗と大きく差が開いております。
最近は羽生二冠が他の棋戦で連敗をしており、決して調子が良いとは言えない模様ですが・・・。
佐藤二冠も今期は成績が振るわず、なかなか連勝の波に乗れない状況です。

さて、この二人の対決どういう結果になるのでしょうか。
この棋戦については、また棋譜を記して述べていきたいと思います。

棋王戦の中継はこちらからどうぞ。

NHK杯将棋トーナメント(▲羽生二冠-△長沼七段)
昨日のNHK杯将棋トーナメント 羽生善治二冠対長沼洋七段戦は最後までわからない戦いでした。
長沼七段はNHK杯初出場だとのことですが、どの将棋も粘りのある指し方でここまで勝ち上がって来られました。
さて、迎えた羽生二冠との一戦、どのような戦いになるのか注目しながら見ていましたが・・・。

戦型は後手長沼七段のゴキゲン中飛車に、対して先手羽生二冠は丸山流の角換わりで対抗しました。長沼七段は意外と器用なんですね。何でも指されるオールラウンダーとのこと。

長沼七段の指し手で光ったのが下図の局面。
NHK杯(羽生二冠-長沼七段)50手目

解説の阿部八段が△6九角からの手順を解説されていたところ、長沼七段は△1四角と打ちました。なかなかセンスのある手だと思います。
この後、▲3八銀△3六歩▲4五桂△3七歩成▲同銀△4七角成となって、後手は馬を作ることに成功。長沼七段が一本取った感じです。

中盤以降先手の羽生二冠は右辺に手を付けず、8筋からの玉頭戦に挑みを掛けました。

下図は局面進んで終盤戦、87手目に先手が▲7一銀と迫ったのに対し、後手が△9三銀と受けた局面です。
NHK杯(羽生二冠-長沼七段)88手目

本譜はこの後▲9五歩と突きましたが、ここは▲6三歩として馬筋を消す手がありました。
後手が△5三角と攻防に打っても、▲6五桂△7五角▲同銀△同金に▲7二角で決まっていました。以下△7四銀には▲8一角成△同玉▲7三桂成で必勝です。

さらに局面進めて104手目、後手が△5八角と反撃に出たところでも先手の勝ち筋がありました。
NHK杯(羽生二冠-長沼七段)104手目

本譜は▲4八飛とかわしましたが、ここは▲4四飛と銀を捕獲して詰めろを掛ける狙いがあったのです。
△同歩は▲8二銀打や▲8五桂或いは▲8三歩成以下の即詰みとなります。
よって△7一馬と銀を取るのが一番の応手ですが、▲8三歩成△同銀▲同桂成△同玉▲8四銀△9二玉▲8三銀打△8一玉に▲7四飛で受け無しになります。

羽生二冠は最後まで攻め続けたのですが、結局後手玉を詰ますまでには至りませんでした。
上記に示す必勝の手筋を逃したのが痛いですね。

長沼七段は命拾いです。最後は簡単に先手玉を詰ましてベスト4に一番乗り。
羽生二冠の「負けました」の一言に、長沼七段が深々とお辞儀されたのが印象的でした。

この対局を見ていた方は恐らく最後の結末に驚いたことでしょう。
将棋はほんとに最後までわかりませんね。