情報の友
気になる情報を発信するブログです。
棋王戦挑戦者決定戦二番勝負第1局より
もう今年もあと僅かとなりました。
特にこれと言った情報がない為、引き続き将棋の話題を取り上げます。

先日行われた棋王戦挑戦者決定戦二番勝負の第1局、先手阿部隆八段対後手羽生善治二冠戦は、序盤から息つく暇もない戦型になり短手数で終わるんじゃないかと思われましたが、途中から持久戦傾向になり互いに押し合う戦いになりました。

図は、先手が▲4三歩と焦点に打った歩を後手が△同角と取り、▲4四歩の押さえに△3四角とかわした局面です。

棋王戦挑決戦第1局76手目

本譜はここから先手が▲2四歩と突きましたが、△5四歩に▲5六金と引く格好になって明らかに後手が優勢になりました。ここでの▲2四歩は甘かったように思います。

代わりに、攻め合いを目指すなら▲4三銀と打つ手はなかったでしょうか?
後手が馬狙いの△2五角と出れば、先手は▲同馬△同桂に▲3四角と打って出て攻めを目指します。
以下△7六歩▲6八銀△8一飛▲5二銀成△同金▲同角成と迫ってどうでしょう?

掲載した局面ではまだ先手が有望に戦えていたと思いましたので、この対局で阿部八段が負けてしまったのは本当に残念でした。

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順位戦(▲北浜七段-△渡辺竜王)より問題の局面
今月対戦があったB級1組順位戦(▲北浜七段-△渡辺竜王)から、私が不思議に思った局面を取り上げます。

図は、66手目に後手が△4九飛と打ったのに対し先手が▲4七歩と角筋を止め、以下△4六歩▲7三馬△4七歩成とした局面です。

順位戦(北浜七段-渡辺竜王)70手目

本譜はここから▲同金△同角成▲6五桂△4八馬と進んで、後手が一気に良くなりました。
私が不思議に思ったのは△4七歩成を▲同金と取ったことです。何故▲同銀じゃないのでしょうか?
▲同銀に、もし△4六歩なら▲5九金打として飛車を追い返せばいいわけです。
また、▲同銀を△同角成と切ってきても、▲同金に△同飛成の局面はまだ先手は怖くありません。
北浜七段は何か嫌なことを考えていたのでしょうか?

NHK杯将棋トーナメント(▲郷田九段-△藤井九段)
このところ将棋も興味を引く対局が多く目が離せません。

昨日のNHK杯将棋トーナメント、郷田真隆九段-藤井猛九段戦は序盤から面白い展開で、テレビ画面に釘付けになってしまいました。
早速見てみましょう。

藤井九段は御存知四間飛車のスペシャリスト。本局も後手番で早くも4手目に四間飛車に構え、角筋を通したまま進みました。
NHK杯(郷田九段-藤井九段)14手目

上図は先手が角交換後2筋の歩を突いて後手が同歩と応じた局面です。ここで、先手が▲2四同飛と走ったらどういう展開になるか検討してみましょう。
後手は△4五桂と跳ねます。先手は▲6六角と攻防に効かす手を放ちますが、後手も△3五角と応戦します。以下▲2一飛成△5七桂不成と進みます。(参考1図)
NHK杯(郷田九段-藤井九段)参考1図

参考1図から、中川七段の解説にもありましたが▲3六歩と突くとどうなるでしょうか?
一例ですが、△4四角▲5七角△9九角成▲8八銀△9八馬▲1一龍△2二銀となって、先手が不利のように思えます。(参考2図)
NHK杯(郷田九段-藤井九段)参考2図

14手目から、本譜は飛車が走らずに▲2三角と打って珍しい展開に進みました。

その後は序盤戦術の上手い藤井九段が有利な展開だったと思いましたが、中盤途中から逆に郷田九段が柔軟な応戦で形勢を逆転させました。
NHK杯(郷田九段-藤井九段)71手目

上図は中盤70手目△1五歩に▲4九角と引いた局面です。この後、本譜は△2六歩と突き出しましたが、▲4六銀と出られ後手は飛車を引く形になりました。
ここでは、△3七歩成と突き進んだ方が良かったように思えます。
▲同桂は△同飛成で先手が不利なので、頑張るんだったら▲4六銀打と応じますが、以下△3八歩▲3五銀△3九歩成▲5八角△2九と、という展開で後手が優勢に進めそうです。
後手は飛車を取られますが、二つのと金の働きと桂馬を取ったのが大きく、その後の攻めの展開が楽しめそうです。

対局の結果は郷田九段の逆転勝ち。藤井九段のファンの人は残念だったでしょう。
今期は藤井九段にとって試練のシーズンですね。順位戦も思わしくなく、全体的に負けの対局が多すぎます。
振り飛車ファンにとって、いつかはまたサプライズがあることを期待したいですね。

NHK杯将棋トーナメント(▲羽生二冠-△久保八段)
先日の日曜日(12/16)放映されたNHK杯将棋トーナメントより、羽生善治二冠-久保利明八段戦の一局面を取り上げてみます。

羽生-久保戦はこれからタイトル戦でも現れるカードですから興味がありました。
戦型は予想通り、後手久保八段の中飛車に先手羽生二冠が居飛車で対抗する戦いになりました。

中盤には面白い駆け引きもあったのですが、63手目に羽生二冠が▲3三桂と打って出て、後手の角の働きを遮断し、先手有利な展開が続きました。
両者の大駒が固定したまま終盤に突入し、最後は華麗な駒捌きで羽生二冠が後手玉を詰ませて勝利されました。

取り上げた局面は89手目先手が▲6五銀と打って出てきたところです。
NHK杯(羽生二冠-久保八段)89手目

本譜はここで△8三銀打として守ったのですが、代わりに△8五銀と攻防に働かす手はなかったでしょうか?
これには先手は▲7四歩と打ってくるでしょう。
△8三玉と逃げれば▲5五角や▲7三金で後手玉が追い込まれそうです。なので、△6二玉と逃げます。
以下▲7三金△5二玉▲5四銀(詰めろ)に△7一桂と受けてどうでしょうか? 先手が有利そうですが、後手も粘りが効くんじゃないかと思います。
また、△6二玉に▲2一桂成は△8八角成でこちらも大変そうです。

補足説明(12/19):
例えば△7一桂に▲2一桂成と指された場合、これを△8八角成とすると、▲同金△8六歩に▲3三歩成が先に詰めろになって明らかに後手の負けです。
よって▲2一桂成には△8六歩とし、▲2二角成に△3六飛と当てます。▲同飛ならば△8七歩成以下先手玉が簡単に詰まされます。つまり、△8六歩が詰めろになっている為、先手も容易ではありません。
また、△8六歩に▲2二成桂と角を取るのは、△8七歩成▲同玉△7六銀右▲7八玉△6七金▲8九玉に△5八歩と詰めろを掛けて後手勝勢となります。

竜王戦七番勝負第6局のポイント
竜王戦七番勝負第6局のポイントとなった局面を振り返って検討してみましょう。

ここまで3勝2敗の渡辺竜王がこの対局で決めるのか、片や追い込まれている佐藤二冠が後手番でどんな作戦を立てて反撃してくるのか、非常に楽しみな一番でした。

そして出ました。佐藤二冠が指した2手目は△3二金。
これを見た渡辺竜王は暫く考えて▲5六歩と指し中飛車に。専門誌「将棋世界」でなんとかして見せますと言っていただけに、逃げるわけにはいかなかったんでしょう。
すると、後手の佐藤二冠は△5二飛と振って相中飛車に。これぞ意表を突いた手。誰もが驚いた筈です。

序盤から例にない難しい展開が一手一手進み、30手目に佐藤二冠は△3三金と上がりました。なんかこういう局面を見てみると、昔指されていた大山十五世名人の棋譜が思い起こされそうになりました。

中盤はお互いに攻め合う形に発展し、特に積極的な攻撃に出たのが佐藤二冠の方で、すでに終盤に差し掛かろうとしている局面を迎えます。
竜王戦第6局78手目

この局面で指された△3六桂は疑問視される見方が大方なのですが、私はここまで進んだ以上この手が一番だと思います。先に△2八金や△2八角では後が続きそうにありません。
この後▲同歩に△2八角と打ちましたが、私は△1九角成▲2八銀△1八馬▲1九銀打△同馬▲同銀に、△7七角と攻める手や或いは△6三金打と自陣を固める手もあったんじゃないかと思いました。

局面進んで、渡辺竜王も自身のブログで解説しているのが下図の92手目△8八銀不成に関する展開。
竜王戦第6局92手目

本譜は▲9八飛と誰も気付かないような妙手が出ました。あとの展開を考えればなるほどの手ですね。
私はここから▲6一銀と打って攻めに転じるのはどうかと考えていましたが・・・。
▲6一銀に△5四飛なら▲9一角△7一玉▲7二銀成△同玉▲7五桂という手順ですが、この後の展開を考えると後手玉が捕まりにくくなって、逆に先手玉に詰めろが掛かる恐れがありそうです。

さてそれから数手進んで迎えた局面が下図で、ここで佐藤二冠が敗着となった手を指してしまうんです。
竜王戦第6局97手目

本譜の△7七馬は逆に先手玉を固めてしまうことになりました。
ここで△8五桂と跳ねていたらどうだったでしょうか?
▲7三銀と打っても△同銀▲同歩成△同金▲4三角成△7四飛で、後手が有利な展開になっていたのではないかと思います。

渡辺竜王はこの対局を制して4勝2敗で竜王四連覇を達成しました。
竜王戦では初めての快挙です。おめでとう御座います。

ここまでの竜王戦で全体を通して言えるのは、渡辺竜王の局面局面での対応力の素晴らしさが光っていたと思います。
対して佐藤二冠は序盤の奇抜な工夫で魅了していましたが、中終盤に掛けては疑問手が多く、決め所を逃したのが大きいですね。やはり不調続きだったのでしょうね。惜しまれます。

来期は誰が挑戦者になるのかわかりませんが、このままだと渡辺竜王が永世竜王位につきそうな気もします。

B級1組順位戦(▲畠山七段-△渡辺竜王)
渡辺明竜王のブログより、取り上げられている局面を私なりに考えてみました。

B級1組順位戦(▲畠山七段-△渡辺竜王)64手目

上図は、先手が▲3五銀とぶつけたのに対して、後手が△7七歩と打ち込んだ局面です。
さて、先手はこの△7七歩をどの駒で取るのか一つの分かれ道になる局面でもあります。
本譜は▲同金上△同桂成▲同金△6九金と進み、明らかに後手が優勢になりました。
ここで、渡辺竜王は△7七歩に▲同桂は△9七桂成▲同香△9六歩となるので同金と取るのが形だと述べていますが、玉の守りの金をわざわざ手放す必要があるのでしょうか? これでは明らかに先手が劣勢に追い込まれていきます。
私は、△7七歩▲同桂に△9七桂成には▲7九玉と引いて、まだ悪いなりにも先手が戦えたと思います。

もう一つ取り上げられていたのが、下図の終盤の局面です。
B級1組順位戦(▲畠山七段-△渡辺竜王)94手目

本譜はここで▲3四歩と打ってでたので△6八銀成から崩されて先手が敗勢になりました。
ここは渡辺竜王が述べるように、▲5九角とうるさい銀を払った方が良かったようです。
この後後手が△9六歩と突いて先手が▲3四歩と打ち返した局面を、参考図(下図)の形で取り上げられています。
B級1組順位戦(▲畠山七段-△渡辺竜王)参考図

参考図から△2四銀と駒の補充を図った場合ですが、それには▲3七角でどうでしょうか?
以下ざっと手順を上げると、△同角成▲同桂△9七歩成▲同香△9六歩▲9三歩△同飛▲9八歩△9七歩成▲同歩となって、後手からの有効な手がなければ先手が勝ちになりそうです。(△9九角▲同玉△7八飛成の詰めろには、▲4四角以下の即詰みがあります)


NHK杯将棋トーナメント(▲森内名人-△鈴木八段)
昨日のNHK杯将棋トーナメント戦(▲森内名人-△鈴木八段)から、気になった点を拾い上げてみました。

後手の鈴木八段は得意としている中飛車に構え、後三間飛車にして3筋に狙いを付けました。対して、先手の森内名人は右玉にしてから、8八の角を9七に上げ戦闘態勢に入りました。森内名人の右玉の構えは珍しいですね。

下図は、中盤に入り先手から角交換して▲6四歩の突きを後手が△同飛と払った局面です。
NHK杯(森内名人-鈴木八段)68手目

本譜はここで▲7五角と飛車・金取りに放ちましたが、私は▲3一角と金の斜め下から放った方が得ではないかと思いました。
▲3一角に対して△4一歩なら▲2二角成として桂・香を取る狙いです。△8四飛と回られても▲8九飛と対抗し、飛車の活用が出来ます。
また、▲3一角に△4四飛なら再び▲6四歩と放てばいいわけです。

局面進んで終盤の攻め際、▲2二飛に対して後手が△5一歩と金底の歩で受けたのが次の図です。
NHK杯(森内名人-鈴木八段)86手目

普通なら▲5三歩と打つところ本譜は▲6三歩と銀の頭に打ちましたが、結果的にはこの手が敗着になった気がします。▲6三歩以降は徐々に後手が良くなり、94手目に放たれた△3三角の飛車・金両取りで明らかに逆転となりました。
▲6三歩を▲5三歩に変えていたら、先手優勢のまま進んでいたと思います。一例としては、▲5三歩△6三金左▲5二歩成△同歩▲2一飛成△7七銀▲6八歩△7四角▲6四桂・・・。

森内名人の意表を突いた右玉でしたが、終盤のミスにより敢えなく散ってしまいました。去年は決勝まで駒を進めていたのに、この3回戦で姿を消すのは残念ですね。

竜王戦第5局から感じたこと
竜王戦七番勝負第5局は縺れに縺れての激戦だったと思います。
相矢倉から相穴熊に組み替えるという珍しい戦いになって、見ている方は一体どういう展開になるのか楽しみでもありました。

結果は先手の佐藤二冠が入玉を果たしてなんとか角番を凌ぎきることになり、第6局以降に望みを繋ぎました。

本局の戦いから、私がポイント的に感じた局面を取り上げてみましょう。

下図は後手の渡辺竜王が先手玉の囲いを剥がし攻めきろうとしている局面です。
竜王戦第5局95手目

ここから後手は△8五銀と打ってきましたが、結果的にみてあまり効果がなかったのではと思います。
単純に△3七角成として攻めていってどうでしょう。以下の手順は▲2九飛△4七馬▲2八飛△3七銀▲2七飛△4六銀成といった展開で。

感想戦では佐藤二冠が面白いことを言っています。
△3七角成には「▲2四飛△同歩▲2三歩△同金▲4一角のつもりだったんですが、そこでどう受けますか?」と聞いているんですね。
それには△3三金右と受けて大丈夫ではないでしょうか。▲3二銀と打たれても△2二銀で耐えれそうです。

上図から数手進んで98手目△9七歩と先手玉を叩いた局面で、佐藤二冠は思いっきりの手を指しました。
竜王戦第5局98手目

なんと▲8七玉と顔面受けの手。流石に渡辺竜王もこの手は読んでいなかったようです。
私は▲同玉でも大丈夫だろうと思っていましたが。以下△9六歩には▲8八玉とかわして後手からの有効な手がないように思えます。

終盤は先手玉が捕まるかどうかの瀬戸際だったんですが、惜しくも後手の渡辺竜王が判断ミスにより捕らえきれず、佐藤二冠の勝ちになりました。
先手玉が穴熊から入玉という展開はあまり見たことないのですが、手の流れからしてこんな将棋もあるのかと感心しました。
長手数にわたる攻防に将棋の難しさを感じた次第です。

さて、この戦いの結果は両者にどのように影響するのか、次の対局が楽しみでもあります。