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第42期棋王戦五番勝負 渡辺棋王、5連覇で永世棋王に
第42期棋王戦五番勝負の第5局は、先手の渡辺明棋王が千田翔太六段を103手で破り、対戦成績を3勝2敗として5連覇を達成し、史上2人目の永世棋王の資格を獲得しました。

戦型はシリーズ3度目の矢倉戦となり、最初に仕掛けた後手の千田六段が先制攻撃しましたが、それを渡辺棋王が的確な守りで凌ぎながら反撃して勝利しました。


形勢的には先手の渡辺棋王の方が良かったと思いますが、千田六段にもチャンスはあったように思われます。

その局面を取り上げてみました。

棋王戦第5局59手目

上図は、後手が△5九角と打ったのに対して、先手が▲2六角と攻防に打ち返した局面です。本譜は次に△3四歩と指しましたが、ここは△3六歩の方が良かったように思えます。以下▲2五桂△3七角成▲同角△同歩成▲2六飛に△4七と(変化1図)と進み、

棋王戦第5局変化1図

(変化1図から)▲3三歩には△同桂▲同桂成△同玉▲2四歩△同歩▲同銀に△4二玉(変化2図)となると、後手の方が形勢がよく見えます。

棋王戦第5局変化2図


一時はカド番まで追い詰めていた千田六段でしたが、最後は渡辺棋王の勝負強さにやられてしまい、タイトル奪取とはなりませんでした。これを糧に今後の成長を望みたいと思います。

一方、渡辺棋王は竜王戦同様最後まで粘り強く戦い、大舞台での強さを発揮しました。

この五番勝負、シリーズを通して予想以上に楽しめることができた棋戦でした。

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第42期棋王戦五番勝負 フルセットへ
渡辺明棋王に千田翔太六段が挑戦している第42期棋王戦五番勝負の第4局は、97手で先手の渡辺棋王が勝って、これで対戦成績が2勝2敗の五分となり、タイトルの行方は最終局に持ち越しとなりました。

矢倉戦となった本局、先手の渡辺棋王が中盤からペースを握ると、最後まで形勢を損ねることなく勝利しました。


感想戦によると、下図の局面の次の手(△2六馬)が敗着だったとのことでした。

棋王戦第4局73手目

上図の局面から分かるように、6二に金があるのが不思議なくらいで、すでにもう形勢に差がついているようですが・・・。

先手が▲3五歩と突いたので、開いた3六の地点に△3六銀(変化1図)と打ち込む手はどうだったでしょうかね。

棋王戦第4局変化1図

変化1図から参考ですが手を進めると、以下▲1五角△1四歩▲3三角成△同金▲4四歩△3七馬▲4三歩成△4六馬▲4二銀△2二玉▲3三と△同桂▲3四歩△3二歩▲3三歩成△同歩3四歩△同歩▲3三金△1二玉▲3二銀(変化2図)・・・。

棋王戦第4局変化2図

変化2図から△3一桂と受けてどうかですが、難しそうですね。


前局で挑戦者の千田六段が2勝1敗とリードしていましたが、この対局で敗れたことにより、本シリーズはフルセットの五番勝負となりました。

いよいよ次局は最後の戦い、どのような戦型での対局になるのかも含めて楽しみになりました。

第42期棋王戦五番勝負第3局 挑戦者、2勝1敗
第42期棋王戦五番勝負の第3局は、先手の千田翔太六段が渡辺明棋王に121手で勝ち、対戦成績を2勝1敗とし、初のタイトル獲得に王手をかけることになりました。

戦型は後手・渡辺棋王のゴキゲン中飛車に対し、千田六段が右銀を早く繰り出す戦法の対抗型となりました。その後角交換を経て、中盤以降は徐々に先手の千田六段がリードを保ち、最後は渡辺棋王の粘りを断ち切って勝利しました。

本局を振り返ってみると、両者の読みの正確さが勝敗を分けた感じを受けました。


局後の感想戦に凄い記事が載っていましたので、下記に取り上げてみました。

棋王戦第3局109手目

上図の局面から渡辺棋王は△9二玉とかわしましたが、次に▲9五歩と突かれて後手が負けとなりました。

感想戦後の記事には、△9二玉に代えて△7三桂打なら非常に難解だったとのこと。以下棋譜コメント通り進めてみますと、▲同金△同桂▲同馬△同玉▲8五桂△6三玉▲4四飛成△7九飛▲8八玉△7八金▲9七玉に△4二角と進み、さらに▲同竜△7五角▲8六角△同角▲同玉△6四角▲7六玉に△4二角(変化1図)という手順だそうです。

棋王戦第3局変化1図

途中の△4二角は読めないですよね。普通人間なら渡辺棋王が言うように△5三角の王手龍取りを読むでしょう。(頭の中だけで考えるんですから)

変化1図から先手は攻めるしかないので▲4一角と王手し、以下△5二金▲5五桂△6二玉に▲5四金(変化2図)と詰めろをかけていくんですかね。それにしても難解。できるなら観てみたかったという願望はありますが・・・。

棋王戦第3局変化2図


ここまで挑戦者の2勝1敗ですが、本局のように難解な局面を迎えますと、若い千田六段の方が有利かもしれませんね。

次局楽しみです。

第42期棋王戦五番勝負第2局 1勝1敗のタイに
第42期棋王戦五番勝負の第2局は、131手で先手の渡辺明棋王が挑戦者の千田翔太六段に勝ち、対戦成績を1勝1敗の五分としました。

戦型は相矢倉となり、かなり激戦となりました。中盤でペースを握ったのは千田六段でしたが、勝負を諦めずに指していた渡辺棋王が最後は逆転で勝利しました。


本局の解説で92手目の△7七歩が敗着とありますが、私はその後の▲同玉に△7三桂が良くなかったと思います。代わりに△5四桂(変化1図)なら後手がまだやれていたでしょう。

棋王戦第2局変化1図

△5四桂に▲6七金引なら△6六銀とかぶせて後手良し。逆に▲1五香と攻めてきたら、以下△1二歩▲1三歩△同歩▲同香成△同桂▲1四歩△1二歩▲1三歩成に△6六桂(変化2図)の詰めろで、やはり後手良しだと思います。

棋王戦第2局変化2図

有利な展開だったのに最後逆転を許したのは、千田六段にとって大きな痛手となりましたね。

1勝1敗のタイとなったこのシリーズ、この後の3戦でどのような行方になるのか見物です。

第42期棋王戦五番勝負第1局 千田翔太六段、先勝
将棋の王将戦は郷田王将の調子が悪く、ここ暫くエントリーを中止しています。代わりに先日始まった棋王戦を取り上げることにしました。

その第42期棋王戦五番勝負の第1局は、挑戦者の千田翔太六段が157手で渡辺明棋王を破り、先勝しました。

千田六段の意表を突いた初手▲7八金から開始され、結局は角換わりの戦型となった本局、序盤は余り見かけない指し手が続き、中盤以降実戦での腕試しの将棋となりました。

難解な展開が繰り広げられる終盤で後手の渡辺棋王の疑問手もあり、最後は千田六段が冷静に指しこなして勝利しました。


観戦していて旨いなと思ったのが、下図の▲8二歩~▲8三桂の指し手です。

棋王戦第1局107手目

先手の形勢が悪い中、相手の防御を軽くしつつ後手玉の寄せを狙っていくあたり、参考になる手に思えました。
このあと後手の渡辺棋王が自玉の逃げ場を間違えて形勢を悪くしてしまい、千田六段が旨く寄せきりました。


全体的にみて、難しい内容の将棋となり面白かったと思います。最後は渡辺棋王が転げ落ちてしまいましたが、千田六段の指し手には興味を抱かせられました。

次局以降も内容のある将棋を指して貰いたいですね。

第66期王将戦七番勝負第1局 挑戦者の先勝でスタート
第66期王将戦七番勝負の第1局は、後手番で挑戦者の久保利明九段が郷田真隆王将に86手で勝利しました。

戦型は久保九段のゴキゲン中飛車に対し、郷田王将の超速▲3七銀戦法での対局となり、封じ手あたりでは先手の郷田王将の方に分があるかなと思いましたが、終盤に向かって形勢が後手の方に傾いていき、最後は鮮やかに久保九段が先手玉を寄せきって勝ちました。


この対局でのポイントとして、下図の封じ手の局面を取り上げました。

王将戦第1局42手目

上図から本譜は▲5三歩成でしたが、代えて▲2五飛以下、△2四歩▲同飛△2三歩▲4四飛△同歩▲5三桂成(変化図)の順が棋譜コメントに載っていました。

王将戦第1局変化図

変化図から△3一飛なら▲5二銀△7二金▲6三成桂、△2九飛なら▲5八金右△3二金に▲3四角と出て、いずれも先手が指しやすい気がします。
感想戦で郷田王将は▲2五飛以下の手順は指しきれなかったとありますが、どうなんでしょう?

観戦していて郷田王将が負けるとは思いませんでしたが、最後は踏み込みの僅かな差で勝敗が決した感じがします。


次局どのような戦型になるか分かりませんが、この両者では対抗型の戦いが頻繁に起こる気がします。

第29期竜王戦七番勝負第7局 渡辺竜王、防衛
第29期竜王戦七番勝負の第7局が先日指し終わり、結果渡辺明竜王が挑戦者の丸山忠久九段に107手で勝利し、4勝3敗で防衛を果たしました。

戦型は後手番になった丸山九段の一手損角換わりとなりました。対し先手の渡辺竜王はこれまでの腰掛け銀をやめて、▲3七銀~▲4六銀と早繰り銀の形で応戦しました。

積極的に動いたのは丸山九段の方で、6筋にいた銀を9筋まで繰り出して端攻めを狙いましたが、渡辺竜王の慎重な受けに攻めが続かず、最後は反撃を食らって丸山九段の投了となりました。

全体的に形勢は渡辺竜王に傾いていて、丸山九段にチャンスはなかったように思います。


一点だけ気になったので、下図の局面を取り上げました。

竜王戦第7局69手目

本譜はここで後手の丸山九段が△9五角と打ちましたが、代わりに△9七角だったらどうなるか検討してみました。感想には▲8三角と攻め合って先手良しと出ていましたが・・・。

△9七角に▲8三角△5二金(変化1図)までは必然でしょう。

竜王戦第7局変化1図

上図から▲2四歩△同歩▲2二歩△6九銀(あるいは△8九銀)▲2一歩成△7八銀成▲同飛△7九角成!▲3八飛△3五香に▲3三香(変化2図)と攻め込まれて、やはり後手敗勢になりそうですね。

竜王戦第7局変化2図


これで竜王戦は終わりましたが、私的には面白かったシリーズだったと思います。只残念なのは、この最終局が熱戦にならなかったことですかね。

思わぬ形で挑戦権を得た丸山九段が健闘して最終局までもつれ込んだのは良かったのですが、おそらく最後は負けて元々の勢いで無理責めを敢行してしまったのではないかと感じ取れます。普通タイトル戦ならもっと慎重に進めるはずですよね。

渡辺竜王はさすがと言えばそれまでですが、相手の得意戦法を真っ向から受けて立ち向かう姿に、本当の強さを見せられた感じがいたします。

第29期竜王戦七番勝負第6局 丸山九段勝って最終局へ
第29期竜王戦七番勝負の第6局は、挑戦者で後手の丸山忠久九段が90手でもって渡辺明竜王を破り、対戦成績を3勝3敗のタイとしました。これでこのシリーズのタイトル戦はフルセットになりました。

戦型は後手番丸山九段の一手損角換わりで始まり、さらに進んで丸山九段が先行して攻め、一日目の段階ですでに形勢を有利に持っていきました。

二日目になって一時は両者の差は詰まりましたが、最後は形勢を損ねることなく丸山九段が相手玉を討ち取りました。


本局の焦点とも言えるのが下図の局面で、次に渡辺竜王は銀を引かず本譜は▲2四桂と攻めに転じましたが、結果これは無理筋だったようで形勢を覆すまでには至りませんでした。

竜王戦第6局46手目

上図から、やはりここは冷静に▲7七銀と逃げていた方が良かったでしょうね。以下△3九角▲5八飛△4八銀に▲6七金寄(変化図)で耐えられるかですが・・・。

竜王戦第6局変化図

他には▲6三歩と先に叩く手もありそうです。が、いずれにしても先手が苦しい感じは致します。


いよいよ次は最終局、どちらに栄冠が輝くか待ち遠しいですね。

第29期竜王戦七番勝負第5局 渡辺竜王、防衛に王手
第29期竜王戦七番勝負の第5局は、後手の渡辺明竜王が106手で挑戦者の丸山忠久九段を破り、対戦成績を3勝2敗としてタイトル防衛に王手をかけました。

戦型は本シリーズ初の横歩取りとなり、後手の渡辺竜王が8五飛戦法を採用しました。

一日目は互いに探り合いながら力戦調の渋い展開でしたが、二日目の封じ手以降先手の丸山九段に良いところがなく、そのまま渡辺竜王に押し切られてしまった感じでした。


下図の封じ手の局面で、本譜は▲8六角と出て様子を見ましたが、その後の調子が今一つで疑問に思えてしまいました。

竜王戦第5局42手目

上図から代わりに▲2五桂と勝負する手はなかったでしょうか。以下参考ながら、△4四角▲5六歩△8五飛▲5五歩△同飛▲7七角△8五飛▲4四角△同歩▲7七桂△8一飛(変化図)と指せれば、先手は次に1筋から攻撃できたと思います。

竜王戦第5局変化図

▲5六歩に△8五飛じゃなくて他の変化もあるかもしれませんが、本譜よりは先手がもう少し戦えていたのじゃないかと・・・。


次戦でどうなるか分かりませんが、出来れば七番まで戦って欲しいですね。

第29期竜王戦七番勝負第4局 渡辺竜王、勝ってタイに
第29期竜王戦七番勝負の第4局は、先手の渡辺明竜王が101手で挑戦者の丸山忠久九段を破って、対戦成績を2勝2敗のタイとしました。

戦型は第2局と同じく丸山九段の一手損角換わりで始まり、さらに相腰掛け銀となって進みました。

二日目から丸山九段が攻勢に出て、渡辺竜王が受けに回る展開となりました。丸山九段の意表を突く手もあって面白かったのですが、形勢的には渡辺竜王の方がずーと良かったと思います。


本局で気になった点としては、64手目の△5九銀のところで、「△6五銀打は駒損になるのでやりにくかった」と丸山九段が感想戦で述べていたことです。「ほんとにそうなのかなあ」と思ってしまいましたが・・・。

竜王戦第4局63手目

上図から△6五銀打以下の変化を考えますと、▲5四桂△同銀▲6六歩△6四桂▲6五銀打△5六桂▲同歩△6五銀▲同歩△同飛(変化図)となって、後手悪くないと思います。(途中△5六桂に▲同歩のところ▲同銀は、△6五歩以下同じようになりそうです)

竜王戦第4局変化図

本譜の△5九銀は考えにくそうですが、どうなのでしょうか? 素人なら△6五銀打に手がいきそうです。


これで今期の竜王戦七番勝負もタイとなって、この先に興味が持てますね。

第29期竜王戦七番勝負第3局 丸山九段、終盤熱戦を制す
第29期竜王戦七番勝負の第3局は、挑戦者の丸山忠久九段が147手で勝ち、対戦成績を2勝1敗としました。

本局は後手の渡辺明竜王が四間飛車を採用して相穴熊の戦型となりました。その後2日目の夕方まで駒がぶつからないスローペースの状態が続きましたが、終盤は一転して激しい寄せ合いの熱戦となりました。


勝敗を分けた局面として下図を掲げました。

竜王戦第3局109手目

後手の渡辺竜王が直前に△4九飛と打った手に対し、丸山九段がすかさず▲4五角と攻防手を放った局面です。以下△7八成香▲同銀△同龍▲同角と進み、最後は丸山九段が粘る渡辺竜王を振り切りました。▲4五角は本当にうまい手だなと思いました。


この対局で丸山九段がペースを掴んだように感じます。過去の竜王戦とはひと味違う戦いが続きそうですね。

第29期竜王戦七番勝負第2局 丸山九段勝って1勝1敗に
第29期竜王戦七番勝負の第2局は、後手番の丸山忠久九段が98手で渡辺明竜王を破り、対戦成績を1勝1敗としました。

戦型は丸山九段得意の一手損角換わりとなり、それを受けて立つ渡辺竜王との攻防戦が注目となりました。

先手の渡辺竜王が穴熊に潜ったところで丸山九段が仕掛け、以後渡辺竜王が積極的に攻めていきましたが、それを丸山九段が強く受けながら攻め合い、最後は見事な寄せで勝利しました。


本局は桂馬の活用が目立ちましたが、その中でも下図の局面の△7五桂に思わず「うまいな」と頷きました。

竜王戦第2局86手目

上図以降▲7六金に△8七歩の垂らしが決め手となり、丸山九段が快勝しました。


第1局で良いところがなかった丸山九段でしたが、本局で取り戻したことによりこの先の戦いに望みが生まれましたね。

第29期竜王戦七番勝負第1局 渡辺竜王の先勝でスタート
開幕直前に挑戦者が交代となった第29期竜王戦七番勝負の第1局が先日指し終わり、結果後手番の渡辺明竜王が挑戦者の丸山忠久九段に68手の短手数で先勝しました。

戦型は予想通り角換わりでした。渡辺竜王が仕掛けを誘う形になり、それに丸山九段が応えて開戦となりました。33手目に丸山九段が▲3二飛成と飛車切りを決断し、以降激しい戦いに突入しましたが、渡辺竜王が旨く受けこなしながら相手の急所を狙う攻めをみせて、最後勝利しました。


全体的にみて丸山九段に形勢が傾くことはなかったと思います。唯一残念だったのは感想戦で述べられていた41手目の▲6三成桂の局面で、棋譜コメントには代わりに▲6六銀以下の手順が載っていますが、それよりはここは▲6六角(変化1図)と打ち込んで勝負する方が良かったのではと・・・。

竜王戦第1局変化1図

変化1図から仮に△3三歩ならそこで▲6三成桂と指し、以下△同金▲3一銀△3二玉▲4二金△同飛▲同銀成△同玉に▲8二飛(変化2図)と一直線に指していければ、先手もやれていたでしょう。

竜王戦第1局変化2図

変化1図から△3三角でも同じような変化になりそうです。また、△1二玉と寄る手は▲6三成桂△同金に▲2二歩と打たれて、後手玉が窮屈な恰好にさせられて不利ですね。


いろいろあった竜王戦の開幕局でしたが、もう少し熱戦になるよう願っていたのですが、観る方としては残念でした。

次局以降の戦い方に期待したいです。
(淡泊な将棋だけは止めて欲しい)

第64期王座戦五番勝負 羽生王座、3-0で防衛
第64期王座戦五番勝負の第3局は、先手の羽生善治王座が挑戦者の糸谷哲郎八段を131手で破り、3連勝でタイトルを防衛して王座戦5連覇を果たしました。これで羽生王座は自身が持つ同一タイトル最多獲得記録を更新する通算24期目となりました。(もう、驚異的です)

戦型は急戦調の矢倉となり、ねじり合いの戦いになりました。それでも途中までは前例のある戦いでしたが、後手の糸谷八段が飛車を3筋に振った辺りから面白くなり、それこそ力勝負となりましたが、最後は経験に勝る羽生王座が相手をねじ伏せて勝利しました。

局後の感想戦によりますと、71手目の▲6四歩と突かれたところですでに後手が悪く、以後感想は載せられていませんでした。その▲6四歩の2手前、▲9六香(下図)の局面で本譜の△7三角に代えて△5五歩が勝負手だったとありますが、これには▲5三歩△同金▲5六歩という手順で、本譜同様後手が困ってしまいそうです。

王座戦第3局69手目

そこで、上図から平凡に△9四歩と当てるのは如何でしょうか。▲同歩は△9五歩ですので、やはり▲5三歩と叩かれ、以下△同金に▲5五歩△4三銀▲4五桂△5二金▲5八飛(変化1図)と中央を攻められそうですが・・・。

王座戦第3局変化1図

変化1図から一度△5七歩と叩いて、▲同飛△9五歩▲5四歩に△5五歩(変化2図)という手順でどうなんでしょう?

王座戦第3局変化2図

変化2図で後手優勢とは決して言えませんが、こういう変化なら本譜よりは戦えると思います。

まあ、他にも変化が考えられますので、いずれにせよ難しいところですね。


でも、正直なところまさかストレートで羽生王座が防衛するとは思いませんでした。もうちょっと糸谷八段が活躍し、注目を浴びるだろうと願っていましたが、・・・残念です。

第57期王位戦七番勝負 サプライズなし
第57期王位戦七番勝負の第7局は、先手番となった羽生善治王位が93手までで挑戦者の木村一基八段を下し、対戦成績を4勝3敗として、王位6連覇を果たしました。

戦型はこのシリーズ3度目の横歩取りとなり、互いに「中住まい」に構えての戦いが始まりました。

戦端を開いたのは、下図の局面から挑戦者の木村八段が端歩を突き捨てる手(△1六歩)でしたが、最終的にはこの効果が感じられなく、形勢も損ねて敗北となりました。

王位戦第7局33手目

上図から(棋譜コメントにも一部載っていますが)ここは△7五歩と指し、以下▲同歩△6五桂▲3三角成△同桂▲3七桂△2五歩▲2九飛に、ここで△1六歩▲同歩△1七歩(変化図)という指し手でどうだったでしょう。

王位戦第7局変化図

変化図から、▲6六歩には△1六香▲6五歩△1八歩成・・・、▲5五角には△7三角と合わせ▲同角成△同銀▲4六角△6二金▲2五桂に△4五桂という指し手で戦えると思います。


本局は注目していた王位戦最終局でしたが、サプライズ的なことは起こらず、羽生王位が危なげなく防衛しました。

観戦している方としてはちょっと寂しい気持ちでしたね。もっと激戦が観たかったです。