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第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局
先日行われた第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第2局は、挑戦者の渡辺明二冠が豊島将之棋聖を106手で破り、対戦成績を1勝1敗のタイとしました。

本局の戦型は角換わり腰掛け銀。後手の渡辺二冠が途中でペースを掴んでやや有利の展開模様でしたが、それでも最終局面辺りでは先手の豊島棋聖の方に形勢が傾きかけたようにも思えました。


特に私が気になった点は下図の局面で、本譜は次に▲2四飛と指しましたが、代わりに▲7六同玉と応じ、

棋聖戦第2局92手目

以下△2三金▲4七金△8五歩▲7七銀△7五金▲6七玉△4五桂に▲5五馬(変化図)という手順でどうだったでしょうか。

棋聖戦第2局変化図

戻って、△2三金のところ代わりに△6八角成の詰めろには、▲7七銀打として先手玉大丈夫だと思います。


豊島二冠は早々と悲観していたかもしれませんね。終盤ですからじっくり考え込むことも出来ず、ベストな手が浮かばなかったのでしょう。

両者タイとなったこのあと、次局の展開に注目しています。

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第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局
久しぶりに将棋のエントリーを取り上げます。

先日行われた第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第1局で気になった点を述べます。

形勢は中盤辺りから先手の渡辺明二冠の方が良いと思っていたのですが、最終盤辺りで一手のミスで形勢がひっくり返り、後手の豊島将之棋聖の勝ちとなりました。


私が気になった点は下記の局面で、本譜の▲4五角よりは▲5六馬と引いて戦ったらどうだったかと・・・。

棋聖戦第1局126手目

以下参考手順は、▲5六馬△4五歩▲同馬△3四銀に▲6三馬(変化1図)でどうか?

棋聖戦第1局変化1図

変化1図から△7五桂には▲7八玉で逃れているように思えます。

只、△3四銀の代わりに△3四金なら▲6三馬△7五桂▲7八玉△8七銀▲6八玉△3二金▲6四馬△4五金!▲7五馬△7八金▲5七玉に△5四飛(変化2図)という変化で旨くいきません。

棋聖戦第1局変化2図

つまり▲3四銀の変化で▲6三馬から△5四飛まで同じ手順で進めてみますと、次に▲6六玉と逃れることが出来るのです。


ううん、将棋は難しいですね。時間が切羽詰まっていたらこれらの変化が読めるのかどうかで形勢がうんと左右されそうです。

一手の違い、恐ろしいです。

第44期棋王戦五番勝負 渡辺棋王、7連覇達成
第44期棋王戦五番勝負の第4局が昨日指し行われ、結果は渡辺明棋王が広瀬章人竜王を145手で破り、3勝1敗で防衛しました。これで渡辺棋王は通算7期目(しかも連続で7期)の棋王を獲得したことになります。


この対局で私が気になったのは下図の77手目の局面で、次に本譜は△6七歩でしたが、代わりに検討されていた△5四桂の方が良かったように思えます。

棋王戦第4局77手目

△5四桂に▲5五銀△6六歩(変化1図)として、

棋王戦第4局変化1図

以下参考ながら▲3四歩△同銀▲2二歩△同玉▲3三歩に△6七歩成(変化2図)でどうでしょう。

棋王戦第4局変化2図

変化2図から▲3二歩成△同玉で先手に思わしい手があるでしょうか。


戦型は角換わり腰掛け銀でしたが、広瀬竜王に形勢が傾くことは無かったと思います。私としては広瀬竜王の振り飛車を久々に観たかったですね。

それにしても、渡辺棋王はこの棋戦は強いですね。来期以降の活躍ぶりにも期待が持てそうです。

第44期棋王戦五番勝負第3局 広瀬竜王、待望の1勝
第44期棋王戦五番勝負の第3局が昨日行われ、結果は広瀬章人竜王が渡辺明棋王を121手で破って望みを繫ぎました。これでこの棋戦の行方も面白くなってきましたよ。


この対局で注目となったのが渡辺棋王のブログにも書かれていた下図の局面で、本譜は次に△6六角と打ち込みましたが、代わりに△3九角と打っていたら面白くなっていたようです。

棋王戦第3局85手目

確かに同じ角打ちでも△3九角の方が相手に嫌みを持たせて有効かもしれません。以下▲2七飛△4八角成に、仮に▲8一飛と打ち込めば△3八馬▲2五飛△2四歩▲2六飛△4八馬▲2七飛△3八馬(変化図)と千日手模様になりそうですね。

棋王戦第3局変化図

変化図から千日手を回避して▲2八歩と指せば△1五桂が厳しく、以後飛車と馬の交換になって先手陣に飛車の打ち込みが生じます。(勝負は分かりません)


さて、次局どのような展開になるのか今から楽しみです。もし広瀬竜王が勝つようなことになれば、彼の方に分がありそうな気がしますが・・・。

第44期棋王戦五番勝負第2局 渡辺棋王、2連勝
第44期棋王戦五番勝負の第2局は角換わり腰掛け銀の戦型で戦いが進み、結果先手の渡辺明棋王が後手の広瀬章人竜王を119手で破り、2勝目をあげて早くも防衛に王手を掛けました。


棋譜コメントを覗いたところ、88手目の△8七歩に代えて△8二香と打った手が載せてあり、ちょっと気になったので取り上げました。

△8二香以下▲7四歩△8六香▲7三歩成△同金▲7五桂に△5二玉▲2二竜△4二香▲8六銀△同馬▲8二歩の筋で、一例として△8七歩▲7七金寄(変化1図)と受けてどうかとありますが、これは明らかに後手が指しやすいと思います。

棋王戦第2局変化1図

上図から△8八金▲同金△同歩成▲同玉△8七歩▲同金△7九銀▲同玉に△8七馬(変化2図)となって明らかに後手が勝勢となります。

棋王戦第2局変化2図

なので、変化1図の▲7七金寄では▲7七銀と打ち込むことになりますが、それにも△8八銀▲同銀△6九金▲同玉△8八歩成・・・と後手の攻めが続き、やはり後手に分がありそうです。

つまり、88手目の△8七歩に代えて△8二香と指す手は後手にとって有力だったと言えますね。


広瀬竜王にとって本局は痛い敗戦となりましたね。次局で巻き返せるかどうかでこのシリーズが決まりそうです。

第44期棋王戦五番勝負第1局 渡辺棋王、先勝
第44期棋王戦五番勝負の第1局が先日指し行われ、結果渡辺明棋王が広瀬章人竜王を84手で破り先勝しました。

相掛かりの戦型で駒が進み、終盤にかけては先手の広瀬竜王の方が幾分いいのではないかとみていましたが、73手目の指し手が疑問で渡辺棋王に指し負けてしまいました。

その手に代えて▲4三銀が勝負手だったとのことが棋譜コメントに述べられていますが、以降の指し手で気になったことがありましたので取り上げました。


コメントには△4三同銀▲3三角成に△3二銀の手順で以降▲1一馬とありますが、その前に一度▲5一金△3一玉としてから▲1一馬(変化図)と指した方が先手に得のような気がします。

棋王戦第1局変化図

変化図から△4二玉なら▲5二香として金を取らせない手があります。仮にコメント通り駒が進みますと、飛車が動いたところで後手玉の守りが薄まります。

戻りまして▲4三銀の他に▲2四歩も考えられそうですが、先手の勝ち方がはっきりしません。

いずれにしても終盤のこの局面が勝敗の鍵となりましたね。


次局はどんな戦い方になるか注目です。

第31期竜王戦七番勝負 広瀬新竜王の誕生
先頃指し終わった第31期竜王戦七番勝負の最終局は、挑戦者の広瀬章人八段が羽生善治竜王に勝って、4勝3敗でタイトルを奪取しました。

広瀬八段はシリーズ開始から2連敗と厳しいスタートでしたが、その後2連勝し、さらに第6局で快勝して流れを掴んだのが大きかったかもしれません。


最終局のポイントとして掲げたのは下図の局面で、次に後手の羽生竜王が指した手は△7一歩でした。これでは自陣の飛車の横利きが止まってしまって、捌きが不利になるのではと思ってしまいました。

竜王戦第7局79手目

代わりに上図から棋譜コメントにもあるように、△8二飛▲6五歩△2五馬▲3六歩△6五歩▲同銀△同銀▲同飛△6四歩▲7五飛△7四歩▲7二歩成△同飛▲8一角(変化1図)と変化していたらどうだったでしょうかね。

竜王戦第7局変化1図

変化1図から△7一飛▲6三角成△7五歩▲5三桂成△7六歩▲同銀△2二玉(変化2図)と進むと分からなくなりそうです。

竜王戦第7局変化2図

変化2図からさらに▲4一銀なら△3一金と指して、▲4二成桂△同金▲5二金△7六飛に▲4二金で後手玉に詰めろが掛かりますが、その瞬間△7八飛成以下の手順で先手玉が先に詰んでしまいます。

勿論、そんなに簡単にはいかないでしょうが、羽生竜王にとっては本譜の手は悔やまれますね。


今後は広瀬新竜王の活躍に注目が集まりそうです。それにしても、最近は若い世代が台頭してきて将棋界も賑やかになりましたね。

第31期竜王戦七番勝負第6局 3勝3敗のタイに
先日行われた第31期竜王戦七番勝負の第6局は、横歩取りの戦型となって戦いが進み、結果は挑戦者の広瀬章人八段が81手の短手数で羽生善治竜王を破り、お互い3勝3敗となりました。

いよいよタイトルの行方は最終戦の第7局へと持ち越されることになって、このシリーズもヒートアップしそうです。


さて、本局で一番のポイントとなったのが下図の局面からの次の一手で、本譜は△1九角成でしたが、代わりに△4五桂なら後手も有力とのことでしたが、はたしてどうでしょうか?

竜王戦第6局53手目

棋譜コメント以外の手で△4五桂に▲8一龍と指した手を考えてみました。以下△6五桂▲4八銀△同角成▲同金△5六歩▲同歩△5七銀▲4九玉△4八銀成▲同玉△5七桂右成▲3八玉△4八金▲2八玉(変化図)で旨くいきません。

竜王戦第6局変化図

途中他の変化も考えられますが、決して後手がいいとは言えないと思います。やはり羽生竜王の完敗でしたね。


第7局が待ち遠しいですね。

第31期竜王戦七番勝負第5局 羽生竜王、防衛に王手
昨日指し終わった第31期竜王戦七番勝負の第5局は、戦型が矢倉模様となって興味を引いたものの、挑戦者の広瀬章人八段の指し手が思わしくなく、結果139手で羽生善治竜王が勝ってタイトル防衛に王手を掛けることになりました。

封じ手当たりから形勢に差が出てきて後手の広瀬八段が苦しい展開となり、その後は羽生竜王にミスらしい手もなく順調に駒を進めて勝利しました。


終盤後手の広瀬八段に一つチャンスらしい手があったように思われたので、下記に取り上げてみました。

竜王戦第5局97手目

上図は先手の羽生竜王が意表を突く▲7一金打と指したところで、後手の広瀬八段は少考の末△5五角と王手で応じたのですが、代わりに△8七飛成!と強襲を掛け、以下▲同金△2八飛▲3八飛にここで△5五角(変化図)と指していたらどうだったでしょうかね。

竜王戦第5局変化図

変化図から▲9八玉なら△2一飛成と成桂を抜くことが出来ます。また▲7七角なら△3八飛▲同金に△5八飛と打ち込めます。

遡って△8七飛成に▲同玉は△8六歩▲7七玉にやはり△5五角と指し、以下▲6八玉△2八飛▲5八飛△5七銀くらいですかね。

まあ、いずれも後手が勝つには苦労しそうなので何とも言えませんがね・・・。


さて、次戦で羽生竜王が勝つとタイトル通算100期獲得というとんでもない記録が生まれることになりますが、そこで広瀬八段が意地を見せつけられるのかとても興味深い対局になりそうです。

第31期竜王戦七番勝負第4局 広瀬八段勝って2勝2敗に
4度目の角換わり戦となった第31期竜王戦七番勝負の第4局は、終盤に挑戦者の広瀬章人八段が逆転して勝利し、2勝2敗のタイとなりました。

本局羽生善治竜王にはいくらでも勝てるチャンスがあったそうですが、それがどう転んだものか、結果は逆転負けとなってしまいました。


下図は最終盤の局面で、ここでも後手の羽生竜王が旨く対処していれば勝てたかもしれません。

竜王戦第4局129手目

本譜は△4三歩と打ったために、▲2五歩以下数手で負けとなってしまいました。

代わりに△3三桂と打っていれば▲2五歩には△同桂▲4五銀の詰めろにもう一つの桂馬で△5三桂と打ち、以下▲3四成銀△1三玉▲1五歩△同歩▲5四歩に△7四歩(変化図)・・・、と進行すれば後手も有望だったように思います。

竜王戦第4局変化図

変化図で▲同龍は△4五桂と銀を取れます。▲7九銀なら△8五角と攻めの手がありそうです。


羽生竜王の終盤の指し手がちょっと気になりますが、第5局以降の展開に興味が湧いてきました。

第31期竜王戦七番勝負第3局 広瀬八段 初勝利
相変わらず同じような戦型で行われていた第31期竜王戦七番勝負の第3局、結果は挑戦者の広瀬章人八段が羽生善治竜王を130手で破って1勝2敗とし、この後の戦いが面白くなってきました。


注目した局面を私なりに取り上げました。

下図に示す48手目の局面で、次に先手の羽生竜王は▲3七角と打ち込みましたが、なんだかもったいないような角の使い方であまりピーンときませんでした。

竜王戦第3局48手目

代わりに上図から▲6八飛と指して、以下△3三銀(壁銀の解消)▲6三角!△5九角▲6九飛△7七角成▲同桂△7五歩▲5四角成△同歩▲6三歩成(変化図)・・・、と進めていたらどうだったでしょう。

竜王戦第3局変化図

変化図からは△5八銀▲6八飛△8六歩▲同歩△7六歩▲6二と・・・、という具合に先手の攻めが活きる展開になれば面白そうです。


本局は羽生竜王が思いきって角切りを敢行して攻勢に出たのですが、微妙な差で最後は広瀬八段の勝ちとなりました。

次局以降の対戦に興味が湧きますが、さてどのような戦型で望むのか楽しみなシリーズとなりそうです。

第31期竜王戦七番勝負第2局 羽生竜王2連勝
引き続き将棋の話題から、第31期竜王戦七番勝負の第2局を取り上げました。

第1局同様角換わり腰掛け銀となった第2局、途中先手の広瀬章人八段がリードしていたように思われましたが、下図の局面以降後手の羽生善治竜王が逆転して2連勝しました。

竜王戦第2局80手目

上図の局面から本譜は▲6六同金でしたが、次に△4三桂と打たれて角が追われ、徐々に先手が不利になっていきました。

▲6六同金に変わって、ここはまだしも▲6六同角の方が良かったように思えました。以下△6七金▲同銀△8七歩に▲7六銀打(変化図)と頑張ってどうだったでしょう。

竜王戦第2局変化図

それでも、変化図から△5四桂▲5五角△6六歩▲同金に△3六歩と攻め継がれると先手はやはり苦しいですか。先手は2八にいる飛車を縦方向に易々と動かせませんからね。(後手から飛車の縦方向を塞ぐ手がありそうなので難しいところです)

翻ってみると、80手目の△6六歩の突き出しが良かったんですね。


それにしても、羽生竜王は好調ですね。このまま行けばストレートでの防衛も可能かもしれません。

出来れば、他の戦型での戦いを期待したいですね。(振り飛車対居飛車のような)

第31期竜王戦七番勝負 第1局
久々に将棋のことを話題にします。

先日行われた第31期竜王戦七番勝負の第1局を取り上げました。

戦型は角換わり腰掛け銀となってお互いいい勝負でしたが、最後は羽生善治竜王が141手で挑戦者の広瀬章人八段を下し、幸先の良いスタートを切りました。


いろいろと形勢が動いたようですが、私なりに注目した局面を以下に記しました。

おやっと思ったのが下図に示す87手目の局面で、図から後手の広瀬八段は△2一飛として龍を取ったのですが、次に先手の羽生竜王に▲3二桂成と指されて後手玉が一気に薄くなってしまい、これでは後手は不利だろうと思った次第です。

竜王戦第1局87手目

上図から単に△同歩と応じて、以下▲同龍△3六角▲4七銀△同角成▲同金に△5五桂(変化図)と打ち込んでどうだったんでしょうか?

竜王戦第1局変化図

只変化図から▲同銀△同銀となると、どちらも攻め手が難しいような気がしますね。斜めに進む駒と桂馬と歩ですからね・・・。


そのほかの局面でも気になるところはあったんですが、記事にするまでには至りませんでした。


次局以降も楽しみに観戦したいと思います。(なにしろ羽生さんのタイトル通算100期獲得が懸かっていますからね)

第42期棋王戦五番勝負 渡辺棋王、5連覇で永世棋王に
第42期棋王戦五番勝負の第5局は、先手の渡辺明棋王が千田翔太六段を103手で破り、対戦成績を3勝2敗として5連覇を達成し、史上2人目の永世棋王の資格を獲得しました。

戦型はシリーズ3度目の矢倉戦となり、最初に仕掛けた後手の千田六段が先制攻撃しましたが、それを渡辺棋王が的確な守りで凌ぎながら反撃して勝利しました。


形勢的には先手の渡辺棋王の方が良かったと思いますが、千田六段にもチャンスはあったように思われます。

その局面を取り上げてみました。

棋王戦第5局59手目

上図は、後手が△5九角と打ったのに対して、先手が▲2六角と攻防に打ち返した局面です。本譜は次に△3四歩と指しましたが、ここは△3六歩の方が良かったように思えます。以下▲2五桂△3七角成▲同角△同歩成▲2六飛に△4七と(変化1図)と進み、

棋王戦第5局変化1図

(変化1図から)▲3三歩には△同桂▲同桂成△同玉▲2四歩△同歩▲同銀に△4二玉(変化2図)となると、後手の方が形勢がよく見えます。

棋王戦第5局変化2図


一時はカド番まで追い詰めていた千田六段でしたが、最後は渡辺棋王の勝負強さにやられてしまい、タイトル奪取とはなりませんでした。これを糧に今後の成長を望みたいと思います。

一方、渡辺棋王は竜王戦同様最後まで粘り強く戦い、大舞台での強さを発揮しました。

この五番勝負、シリーズを通して予想以上に楽しめることができた棋戦でした。

第42期棋王戦五番勝負 フルセットへ
渡辺明棋王に千田翔太六段が挑戦している第42期棋王戦五番勝負の第4局は、97手で先手の渡辺棋王が勝って、これで対戦成績が2勝2敗の五分となり、タイトルの行方は最終局に持ち越しとなりました。

矢倉戦となった本局、先手の渡辺棋王が中盤からペースを握ると、最後まで形勢を損ねることなく勝利しました。


感想戦によると、下図の局面の次の手(△2六馬)が敗着だったとのことでした。

棋王戦第4局73手目

上図の局面から分かるように、6二に金があるのが不思議なくらいで、すでにもう形勢に差がついているようですが・・・。

先手が▲3五歩と突いたので、開いた3六の地点に△3六銀(変化1図)と打ち込む手はどうだったでしょうかね。

棋王戦第4局変化1図

変化1図から参考ですが手を進めると、以下▲1五角△1四歩▲3三角成△同金▲4四歩△3七馬▲4三歩成△4六馬▲4二銀△2二玉▲3三と△同桂▲3四歩△3二歩▲3三歩成△同歩3四歩△同歩▲3三金△1二玉▲3二銀(変化2図)・・・。

棋王戦第4局変化2図

変化2図から△3一桂と受けてどうかですが、難しそうですね。


前局で挑戦者の千田六段が2勝1敗とリードしていましたが、この対局で敗れたことにより、本シリーズはフルセットの五番勝負となりました。

いよいよ次局は最後の戦い、どのような戦型での対局になるのかも含めて楽しみになりました。