それにしても、こういう将棋があるものなのかなと感心させられた一番でした。
後手の羽生善治棋聖が途中から猛攻を掛けましたが、先手の木村八段がそれを次々と凌いでいき、最後は後手玉を討ち取りました。
羽生棋聖も大差になった将棋を最後は一手違いにまで持っていったのは驚きでしたが、木村八段の彼らしい粘りの将棋にも感心させられました。
私なりに途中気になった局面を取り上げてみました。
下図は、84手目に後手が△6八角成と角交換して、先手が▲同金とした局面です。

本譜はここで一旦△8一飛と待避したのですが、ここで強く△8六歩と打つ手はなかったでしょうか?
以下▲8三銀成△8七歩成▲同玉に△6五角(変化図)という順です。

飛車を渡すのは怖いですが、先手玉も守りが薄くなりますからどうでしょうか?
変化図から▲8六玉なら△4七角成も視野に入れて△8三角とします。もし、▲7六角と当てられたら△同角と交換するのは嫌ですから、△8六歩〜△8五歩と継ぎ歩して△8三角と成銀を取ってどうか?
どちらの変化にも先手から▲1四桂打があるので何とも言えないのですが、本譜のように手数の長い将棋にはならなかったかもしれません。
(これでもやや先手がいいのかもしれませんが・・・)
この対局に勝った木村八段が有利になりましたが、さて次の対局で念願のタイトル獲得が出来るかどうかが見物です。
戦型にも注目ですね。
振り駒の結果は先手が羽生善治名人に、後手が挑戦者の郷田真隆九段に決まりました。
戦型は相矢倉の出だしかと思いきや、後手の郷田九段が途中長考の末左美濃の作戦に出ました。
第一日目はゆっくりとした展開になり、二日目の指し手からが注目となりましたが・・・。
序盤の作戦が勝敗を左右しそうだなと思っていたところ、下図の局面で早くも頭を捻ってしまいました。

35手目に先手の羽生名人がようやく4八にいた銀を▲4七銀と上がったところ、後手の郷田九段は△6四銀と出ました。この手は予想されていたようですが、後(43手目)に▲6五歩と突かれて5三に銀を引くことになり、結果両者の銀に力の差が出た感じを受けました。
加えて、この対局でもう一つ気になったのが後手の右側の桂香が遊んでしまったことです。
それゆえ、▲4七銀に対しては△6四銀より△7四銀と真っ直ぐに出た方が良かったのではと思いました。これに対し▲3六銀や▲3七桂ならここで△7三桂と跳ねて、後に△8五桂と跳ねるチャンスを伺い、後手も早めに攻撃の態勢が作れるのではないかと感じました。
△6四銀は角筋を遮断している恰好にもなっていて、私には疑問に思えた手でした。(△6四角と出ることも出来ないし)
以後は後手の郷田九段に攻撃のチャンスがなく、一度も王手を掛けることも出来ませんでした。
シリーズを通してみて、第6局を郷田九段が落としたのが大きく、最終局も粘りに欠けたのが残念ですね。羽生名人は2連覇で通算6期目の名人獲得となりましたが、来期以降も続くのかどうか見守りたいと思います。
羽生善治棋聖の先勝で向かえた第2局、ここで挑戦者の木村一基八段がタイに持ち込むのか、あるいは羽生棋聖が連勝で王手を掛けるのか、興味深く進行を観ていました。
戦型は後手木村八段からの一手損角換わりに。その後は着々と前例のある局面が続きましたが、38手目に木村八段が△5五銀打(下図)と新手を繰り出して面白くなりました。

この局面後手の5五銀が大いばりした形になっていますので、先手の羽生棋聖がどう対応していくのだろうかと一層興味が沸きました。
その後の手順は、▲5八金△3六歩▲3八歩(問題の手)△6五歩▲8三歩△同飛▲2二歩(旨い手)△同金▲6四銀と打って一瞬決まったかにみえましたが・・・。
しかし、そのあと△4四角▲5五銀△同銀▲4五銀に△8六銀!(下図)と進み、この局面で後手が優勢になったと感じました。
この辺りは非常に面白かったですね。

問題の▲3八歩では▲3四銀と打って攻勢に出た方が良かったようです。私は△5五銀打の時点でも▲3四銀があったと思っていましたが、これはちょっと無理だったかもしれませんね。
本譜は△8六銀が残ったことで後々△8七歩が厳しくなり、形勢の差が開いていきました。
最後の終盤は木村八段が羽生棋聖の攻撃を受けきり、念願の勝利をものにしました。
全体を通してみて、木村八段の快心譜といえる対局だったのではと思います。
この結果、ここまで今期の棋聖戦は1勝1敗のタイに。
改めて残り3局の行方が気になります。
戦型は予想に反してなんと後手郷田九段が陽動振り飛車を指し、対する先手の羽生善治名人が矢倉にガッチリ構えて迎え撃ちました。
1日目までは互角の模様でしたが、2日目に入って先手の羽生名人の方がやや有利な局面が続いていたように思われました。
(この辺りでは郷田九段の作戦がイマイチだったか?)
しかし、郷田九段も少しずつ盛り返し、75手目に羽生名人が▲4四歩と突いた辺りは寧ろ後手の方が形勢が良いのではと感じていましたが・・・。
本譜は▲4四歩を△同飛と取って飛車交換を迫りましたが、すぐに▲4五銀と打たれ、後に後手は飛車を手放す結果になりました。この辺りの局面で大駒を取られるのは流石に痛いと思います。
久保棋王のように捌きに自信のある棋士だったらその後の展開も違っていたかもしれませんが、ここはもう少し先を見た戦い方を考慮した方が良かったように思います。
ということで、もし▲4四歩を△同歩(変化図)と取っていたらどうだったでしょうか?

変化図から▲3五銀は本譜のように進んだ場合、後に△3一飛と引くことが出来ます。
▲6八銀と桂馬の当たりをかわした場合は、△5四銀打ちとして上部を固めて対抗します。
変化図から後手に思わしくない手順があったんでしょうか?
それにしても、終盤羽生名人が魅せた怒濤の詰み手順にはビックリしましたね。流石です。
この対局を郷田九段が落としたため、名人戦は最終局まで縺れることになりました。
さあ、最終局どうなるんでしょう。楽しみです。
その結果、この度新記録を達成しました。勿論自分の車での話ですが・・・。
先月から今月にかけての平均燃費がなんと20.89km/Lでした。
内容は下記のとおりです。
○走 行 距 離 : 1128km
○ガソリン消費量 : 54L(20L+20L+14L)
私が住んでいる所は人口十数万人の街。ほとんど市内だけの走行だけで記録したものです。
車は軽自動車(4WDのターボ、5MT)ですが、10年くらい前に購入したもので、数年前からエコドライブに興味を持ち、カタログ値の燃料消費率(10・15モード:19.6km/L)にチャレンジしていました。
カテゴリのエコに関する記事を御覧に戴ければ、過去の記録や私のエコドライブ方法を知ることが出来ます。
現在、自動車産業もハイブリッドなどの新機種を投入して燃費のいい車を販売するようになってきていますが、努力すれば今の車でもなんとかなるもんです。
皆さんも挑戦してみてはいかがですか。
不景気の世の中ですが、そういうときこそ努力が後で実を結びます。(多分、これからガソリン価格がじわじわ高騰するかもしれません)
序盤から矢倉戦の攻防が面白く、中終盤にかけて一時先手木村八段の優勢な局面が続いたようにも思われましたが・・・。
下図の局面では先手がかなり優勢になっていたように感じていました。

100手目に後手の羽生棋聖が3五の銀を4四に引いた局面で先手の木村八段は▲5六銀と引いたのですが、ここでは▲9三歩成とした方が勝ったように思います。
以下△9五角▲同玉△4五銀の詰めろには▲9二歩(変化図)で受かってないでしょうか?

他にはせんすさんのブログにも書いてあるように、77手目▲6八角では▲3五角△同歩▲2五桂が勝っていたように思います。
どうしてタイトル戦では木村八段に分がないのでしょうか? 当日は体調が良くなかったようですが、勝負の世界では言い訳にはなりません。
このあとの対局にある程度は期待していますが、木村八段にとって第1局目を落としたのは痛いですね。
広瀬章人五段は振り飛車穴熊使いの若手棋士として知られていますが、この対局では先手の増田裕司五段が序盤3手目に早くも角交換を決行したため予想と違った展開になりました。
広瀬五段も堂々と角換わりを受けて迎え撃ち、終盤戦は面白い戦いに・・・。
その終盤戦ですが、下図は121手目▲7七同玉の局面。

ここで解説の浦野七段は△8五桂を指摘していました。私も同じ意見でしたが、よくよく調べてみると後手が危ない展開になったかもしれません。
図から△8五桂▲8八玉△5七飛成(詰めろ)▲同銀△7七金▲7九玉△6七金(変化図)の詰めろには、

▲2四香△1二玉▲2三銀△同金▲同香成△同玉▲2四金△同銀▲同歩△同玉▲3四金△2五玉▲2四飛△3六玉▲2七銀以下詰んでしまいます。
まあ、この手順が実戦で現れていたかどうか分かりませんが、本譜の△7五桂よりは面白い展開になっていたでしょうね。
それにしても、短時間の勝負で緊迫感を味わえることができた一局だったと思います。
来期からは順位戦C級2組のリーグ戦を戦うことになり、昇級を繰り返して行ければ将棋棋戦最高の名誉ともいえる名人戦への挑戦も夢ではなくなります。
瀬川四段は御存知サラリーマンからプロ棋士に転身した人として世間の注目を受けました。一時はプロ棋士を養成する奨励会の三段まで進みながら年齢制限により退会せざるを得なくなり、本人はプロ棋士をなかば諦めていたこともありました。
しかし、夢をもう一度ということでしょうか、アマチュアから出発して平成18年11月に行われたプロ編入試験に合格し、フリークラスに編入しながらこれまで順位戦以外の各棋戦に参加していました。
フリークラスからの昇級判断として、良いとこ取りで30局以上の勝率が6割5分以上というのがありますが、瀬川四段は直近35局での戦績23勝12敗(6割5分7厘)がこれにあたり、昇級を果たされました。
私はもっと早く昇級されるだろうと予想していましたが、厳しい勝負の世界は甘くはなく、プロ入りしてから4年目での達成となったようです。
瀬川さんもコメントされているように、「やっとこれで一人前」になれたとのこと、これからの活躍を期待したいと思います。
出来れば通算勝率6割以上を確保して貰いたいですね。
日本将棋連盟米長邦雄会長のコメントにもありますように、女流棋戦での500勝はプロ棋士での1000勝にも値する程の快挙だとのこと、誠にそのとおりだと思います。
中井女流六段は1981年に小学生名人戦で準優勝し、その年の4月女流棋士(女流2級)になりました。
その後は目覚ましい活躍で、1986年に16歳の若さで女流名人位のタイトルを獲得し、1993年にはクイーン名人となり、その他の棋戦でも数多くのタイトルを獲得されています。
また、1993年には第7期竜王戦で男性棋士から公式戦初の勝利をあげたり、記憶に新しいところでは2003年にNHK杯将棋トーナメントでA級棋士を破っています。
これまで清水市代女流名人と共に女流棋界を引っ張ってこられ、日本女子プロ将棋協会の代表理事を務めながら将棋の普及にも活躍されています。
私も女流棋士の中では中井さんが一番好きです。将棋は居飛車党の本格派タイプでもあり、女流棋戦よりは寧ろレベルの高い男性棋士相手の棋戦の方に力を発揮される人だと思います。それがあのNHK杯の活躍にも表されているんではないかと・・・。
これからも素晴らしい活躍を期待するとともに、将棋の魅力も伝えていって貰いたいですね。
勝負に出たいところはなかなか出ず、相手の心理を読んで指しているような内容で、とてもアマには理解できません。
せんすさんのブログを拝見してみると、終盤△9五桂と打った局面で▲7七金とかわしたのが敗着になったようですね。確かに▲7七金だと角筋を止めることにもなるので指しにくいと思われますが、羽生名人はこの局面どのように感じていたんでしょうか?
他にも幾つかの局面で「あれっ?」と思うことがありましたが、私には理解不能でこの対局は纏めきれませんでした。
第2局を郷田九段が制して1勝1敗のタイになりました。
一時不調気味だった郷田九段ですが、このあとどこまで羽生名人を追い詰めていくのか楽しみです。
やはり、将棋の話題からです。
昨日、棋王戦の最終局を見ていてちょっと疑問に思ったことがありましたので、載せてみました。
終盤90手目に後手の久保八段が△7六歩と玉頭に叩いたのに対し、先手の佐藤棋王は▲同玉と取りましたが、もし▲8八玉(変化図)とかわしていたらどんな攻めがあったのでしょうか?

図からすぐに△7七銀が浮かびますが、▲9九玉と深く逃げ込まれると後手からの有効な攻めが続きそうにない感じがします。
▲9九玉に△7八金の詰めろには▲同飛で逆に後手玉が詰まされそうです。(▲8四銀△同玉▲9六桂・・・)
最近頭の回転が鈍っていますので、私には先が読めません。
どなたか御教授ください。
この棋戦で後手の久保八段が勝って、久々に振り飛車党のタイトルホルダーになりました。
久保新棋王おめでとう御座います。
いやー、それにしても佐藤さんがタイトルを失ってしまうとは・・・。
理由は二つあります。
一つは私の母親が神経性の難病を患っていて、ここ暫くの間そちらの方に気を取られていて、自分の身の回りが疎かになってしまったのです。
また私自身睡眠障害(約1年ぐらい続いている)で体調が良くないのがもう一つの理由です。
特に母親の病については深刻な状態で、この先もどうなるのか分からない状況です。
いろいろと勉強させられることも多く、各医療機関や介護施設のことなど今まで経験していなかったことが一度に覆い被さりました。
私のブログで一番多く記事を書いていたカテゴリーとして将棋の話題がありましたが、あまりそちらの方も興味が薄れてしまい、記事を書く気力も失せてしまいました。
将棋ファンの方には申し訳なく思います。
只、興味のある棋戦は見ていましたので、気になったことはあります。
一番気になったのがNHK杯将棋トーナメントの決勝戦ですかね。終盤で森内九段が二度ほど勝機を逃した感じを受けました。
出来る限り何かの話題を記事にしたいと思いますので、また引き続きご愛顧下さい。
第21期竜王戦七番勝負の最終局(第7局)は将棋界に大きな足跡を残す激戦となりました。
舞台も天童市ということで、何もかもがこの大一番に(少なくとも将棋を楽しむ)世間の目を釘付けにしました。
戦型は第6局と同じような指し手で進行し、途中先手の羽生善治名人が手を変えると、後手の渡辺明竜王が新手を繰り出して興味を引く戦いに進みました。
戦いの重要な鍵となる序盤から中盤にかけては幾分羽生名人の方に分があるかなと思いましたが、渡辺竜王も巧みな駒捌きで徐々に形勢を自分の方に傾けていき、終盤は手に汗握る激闘の場が繰り返されました。
結果は140手で後手の渡辺竜王が勝利し、竜王戦5連覇で初代永世竜王に輝きました。
凄い戦いになった終盤戦では羽生名人の方にも勝ちとなる手があったようですが、全体的にみて渡辺竜王の方が押していたように感じました。
終盤に関することはその他のブログ等で書かれていますので、ここでは私が(直感的に)見た中で気になった点を掲げます。

上図は羽生名人が51手目に指された▲9二との局面ですが、何だかこの手は一手パスのような感じを受け、構想的にどうだったんだろうと疑問を持ってしまいました。終局までこのと金はこのままでした。
後手の渡辺竜王はすかさず△6五銀〜△7六銀と繰り出し、先手玉に迫っていきました。
▲9二との代わりに他に指す手があるのかといったら自信はありません。▲6三歩成としても△同金にそのあとどう指せばいいのか良い手が浮かびません。▲7七桂と跳ねるくらいでしょうか?
同じと金を動かすなら、▲9二とではなく、▲8一とと相手玉に近づけたい気もします。
わざわざ自玉に近い8筋の歩を切って▲8二歩と打ったのですが、効果はどうだったのか、この手を観て首を傾げてしまいました。
それより▲8六歩を△同歩と取った渡辺竜王の判断が素晴らしかったように思います。自然な手かもしれませんが、この歩が後々先手玉の驚異となりました。
もう一つ疑問に感じたのが、下図の▲6二金と打った局面です。

この▲6二金、評判は二つに分かれそうです。私は一目ぬるいと感じましたが。
▲6二金の代わりに平凡に▲5二歩と打ってどうでしょうか?
▲5二歩に飛車が逃げるようなら5筋の睨みが消えて先手良しと思います。例えば△6一飛▲2二金△同銀▲同歩成△同玉に▲2四角が(▲4二角成以下の)詰めろとなって、先手が手を握りそうです。
▲5二歩を△同金と取られても同じように進んで、最後▲2四角が▲5一角成以下の詰めろで先手が勝勢です。
終盤の展開では幾度も形勢が入れ替わったとの見解でしたが、よくよく検討してみると決定的な手はなかったようにも思えますね。それだけ両者が頭脳を振り絞って指し繋いだ将棋だったんだと、改めて感じます。
終局も相手玉を完全に詰ませ切った局面にはなっていません。
渡辺竜王の偉業は凄いと思いますが、同時に不思議な感じもいたします。
竜王戦以外で他のタイトルはまだ獲得していません。また、順位戦でもA級棋士の仲間入りは果たしていません。それで永世竜王を得たのですからね・・・。
渡辺竜王がここまで活躍できたのには、古い言葉ですがハングリー精神が人一倍強かったのではないかと思います。
棋戦の大きさ(賞金額とか)もありますが、なにより若手の棋士でもタイトルを狙える特異なシステムに、その渡辺現竜王が上手く乗り上がって栄光を手に入れたんだと。この栄光を掴んでからは誰にも渡さない根性と粘り、そして巧みな戦法を身に着けていったんだとも感じられます。
勿論それ相応の実力も備わってのことですが。
こうなってくると、竜王戦の戦い方を心得ている渡辺竜王を打ち破る棋士は果たして誰なのか、そちらの方に興味が注がれます。
この先の竜王戦を楽しみにしています。
最後に、渡辺竜王本当におめでとう御座います。
これまでに素晴らしい将棋を見せて貰いました。感動もしました。
時の森内竜王からタイトルを奪取して、佐藤棋王や羽生名人という棋界トップの棋士の挑戦を次々とはね除けた力は凄いの一言。
今後の活躍を益々期待しています。
これで今期の竜王戦が俄然面白くなりましたね。
矢倉戦でガッチリ組み合っての戦いになるかと思いきや、渡辺竜王が思い切った急戦策をとり、初日から尋常ならぬ戦い模様に。
詳しくは竜王戦の中継サイトを観ていただくとして、私なりに気になったところを掲げます。
下図は50手目に先手の羽生善治名人が▲2二歩と楔を打ったあと、渡辺竜王がそれを△同玉と取り、さらに▲2三歩の叩きを強く△同玉と取り払った局面です。

本譜はこのあと▲2五飛以下ほぼ解説通りの展開となっていき、渡辺竜王が70手の短手数で勝利を収めました。
上図の局面では先手に分があるかなと思っておりましたが、やはり玉が囲いに入らない形での戦いでは終盤に痛手を負うことにもなりますね。
図の局面から棋譜解説にも変化手順が出ていましたが、私は▲4二角成で先手の攻めが続くのではないかと思っておりました。
しかし・・・。
棋譜解説では、▲4二角成以降△同金寄▲2五飛△3二玉▲2三歩△3三桂▲2二歩成△4一玉に▲2三飛成とありますが、▲2三飛成では▲2七飛△同歩成に▲同飛(参考1図)とされ、後手に不満が残りそうです。

よって、▲4二角成には△同金上とし、▲2五飛に△1二玉と引いてどうでしょう。
次に▲2四歩が詰めろですが手順に△3三金右と上がり、▲2三銀の打ち込み以下は△同金寄▲同歩成△同金▲2七飛△同歩成▲3二銀△2四歩▲3一金の詰めろに△3三金(参考2図)という上手い手があって、後手玉が寄りそうにないです。

ということで、上図52手目の局面では後手が有利なんですね。
うーん、これを渡辺竜王が読んでいたかどうか正確には分かりませんが、いずれにしても▲2二歩を△同玉と取った長考の決断には恐れ入りました。
この対局結果、(第4局での大逆転以降)渡辺竜王に光が差してきたように思えます。
将棋界では七番勝負のタイトル戦で、3連敗後の4連勝は今までに一度もないということですが、さあどうなりますかね。
いずれにしても、最終局はこの将棋界に大きな足跡を残すことになります。
世紀の大一番を見守りましょう。
これで勝敗は渡辺竜王の2勝3敗となり、諦めかけていた5期連続での永世竜王獲得も夢ではなくなりました。
後手番の羽生善治名人が序盤2一に玉を引いた形をとり、その後の展開がどうなるのか注目していましたが、渡辺竜王が直ぐに7筋から仕掛け、さらに封じ手を挟んで1筋から攻撃を加えていきました。
棋譜を見ていてちょっと不可解に感じたのが下図の局面です。

▲2五歩の突き出しに△1三銀と引いたあと、63手目に▲1二歩と打たれたところです。
本譜はここで△同玉だったので意外でした。2一に引いた玉を1筋に上がるとは思っていなかったからです。(その後また2一に戻ることになり手損に感じます)
▲1二歩を△同香としていたらどうだったでしょうか?
解説には▲1四歩△同銀▲3四銀△同金▲2六桂△2五金▲1四桂△2四銀(参考図)で大変かもしれないとありますが、角筋が止まっている分本譜よりは安全ではないでしょうか?

参考図から▲2二歩△3一玉に▲3四銀と攻めを繋げられても、△2六桂で行けると思いますが・・・。
このあたりは羽生名人の迷いがかなりあったと思います。
この矢倉戦、上図でもわかるように7五の銀がかなり威張っていますね。
それにしても、最後に渡辺竜王が勝ちを決めた111手目の▲3五歩は見事でした。
第6局以降どういう戦いになるのか予想がつきませんが、最終局まで縺れるようだと今期の竜王戦は俄然面白くなりそうです。
さらなる熱戦を期待しましょう。









